アクセオス
1. 製品概要(用途・特徴・製品種別・臨床シーン) Axeos(アクセオス)は、デンツプライシロナ社が提供する歯科用コーンビームCT(CBCT)装置 です。パノラマX線撮影と3D撮影の両方に対応したハイブリッド機で、同社の口腔外用X線装置ラインナップの中で最も多機能なフラッグシップモデル に位置付けられています[2] 。最大直径17×高さ13cmという大視野での3D撮影が可能で、単歯の根管治療から顎顔面全体の評価まで、多岐にわたる診断・治療計画ニーズに応えます 。用途としては、インプラント埋入計画、親知らず抜歯や顎関節の評価、歯列矯正用セファロ撮影、根管の細部確認など で活躍します。2Dパノラマ撮影も高画質で、小児の撮影や日常の歯科検診にも使用でき、必要に応じて低被曝のデンタル撮影や (フィルムを咥えない虫歯検査X線)にも対応しています 。
幅広い臨床シーン
口外法バイトウィング撮影
Axeos最大の特徴は高画質 と柔軟な撮影レンジ の両立です。従来機種(例えばガリレオスなど)は固定の撮影視野が一般的でしたが、Axeosでは直径5×5.5cmから17×13cmまで4段階の3D撮影範囲を選択可能で、用途に応じて最適な撮影範囲・解像度を設定できます[6] [7] 。例えば小視野(5cm径) なら根管治療や単独インプラントの詳細観察に、中視野(8~11cm径) なら上下顎全歯列や複数歯のインプラント計画に、最大視野(17×13cm) では両側の顎関節や気道を含む頭部全体の評価に用いることができます[8] [9] 。撮影モードも充実しており、通常モードに加えて低被曝モード(Intelligent Low Dose) と高精細モード(HDモード) を搭載しています[10] 。低被曝モードでは2D撮影並みの極めて少ない線量で3D画像を得ることができ、被曝を気にする患者や経過観察症例にも安心です[11] 。一方、HDモードではボクセルサイズ80µmという非常に高い解像度で撮影でき、根尖部の微細構造まで鮮明に描出できます[12] [11] 。これらを可能にしているのが直接変換方式DCSセンサー で、X線を光に変換せず直接電気信号化することで信号劣化を防ぎ、ノイズの少ないシャープな画像を実現しています[13] 。金属アーチファクト低減機能(MARS)も備えており、インプラントや修復物周囲の散乱ノイズを大幅に抑制できます[14] 。総じてAxeosは「より優れた画像を提供し、治療計画ソリューションへつなげる」 ことを理念として設計された、デジタルデンティストリー時代のパノラマ/セファロ/CT複合機 です[15] 。
また、患者とオペレータ双方に配慮した先進デザイン も特筆すべき特徴です。撮影ユニット前面には間接照明式のアンビエントライト が組み込まれており、30色以上から診療室の雰囲気に合った穏やかな灯りを選べます[16] [17] 。鉛遮蔽で無機質になりがちなレントゲン室内に癒しの演出を加えることで、患者の緊張を和らげリラックスした状態で撮影に臨める工夫です[18] [19] 。さらにユニット側面にはバイトブロック一体型の収納キャビネット を備え、撮影補助具を手の届く場所に保管できるため準備がスムーズになります[2] [20] 。デザイン面の完成度の高さは国際的にも評価されており、Axeosは製品デザインで権威あるRed Dot賞(2020年) およびiFデザイン賞(2021年) を受賞しています[1] 。審査では製品のアイデア、形状、機能、独自性、実用性の全てで高評価を獲得し、とりわけ「形状と機能の融合によるパフォーマンス品質と治療時の快適性向上」が高く評価されました[1] [21] 。要するにAxeosは「高い臨床的安全性、患者快適性、効率的なワークフロー」を追求した結果生まれた装置 と言えます[22] 。
2. 評価軸に基づくレビュー 操作性(ユーザビリティ): 直感的なタッチ操作が可能な新設計のイージーパッド(EasyPad)式ユーザーインターフェース を搭載しており、撮影プロトコルの選択や患者情報の確認がシンプルに行えます[23] 。患者の頭部位置付けは特許取得のオートポジショナー によって半自動化されており、オクルーザル(咬合)面にあてる専用バイトブロックと側頭部の自動幅測定機構で、適切な位置に患者を誘導します[24] 。このお陰で再現性の高いポジショニングが短時間で行え、実際に「オートポジショナーのお陰で、待ち時間が短縮されます 」という声も聞かれます[25] 。スマート高さ調整 機能も便利な特徴です。患者ごとの身長・顎位に合わせた撮影高さを記憶し、次回来院時にはボタン一つで以前と同じ高さに自動セットできるため、リピート患者のセッティングが迅速です[26] 。画像の取得から表示までの処理速度も速く、3D再構成の待ち時間が短縮されています[27] 。これにより患者が装置内でじっと待つ時間や診療全体の所要時間も減り、医院の回転率向上に寄与します。なお据置型ユニットですが、Axeosは立位・座位の両方に対応し車椅子のまま撮影可能 な開放的設計になっています[28] 。従来は車椅子患者を椅子に移乗させる手間がありましたが、本機ならその必要がなくバリアフリーに配慮されています。このように患者セットから画像確認まで一連のワークフローが洗練されており、操作性は総じて良好 です。また高度なポジショニング機構のお陰でスタッフでもブレや撮り直しなく高品質画像を得やすく、院長は撮影を安心してアシスタントに任せられるという利点もあります[29] 。
症例適応(適用範囲):汎用性の高さはAxeos最大の強み です。直径5×5.5cmから17×13cmまで4種類の3D撮影視野を備え、日常歯科から高度医療まで幅広い症例に1台で対応 できます[4] 。小視野(5cm径)では根管の破折や難治性の病変確認、1本のインプラント埋入計画など局所的な診断に適し、必要最小限の範囲で高精細3D画像を提供します[8] 。中〜大視野(8~11cm径)では上下顎全体や複数歯にわたるインプラント計画、埋伏歯や嚢胞の位置関係把握など顎骨全体を俯瞰 したいケースに有用です[7] [9] 。そして最大視野(17×13cm)では、両側の顎関節を一度に撮影したり、上気道(エアウェイ)を含めた頭蓋底まで カバーできるため、顎関節症の評価や睡眠時無呼吸症候群の診査にも役立ちます[30] 。実際、「睡眠時無呼吸用のスリープスプリント作製時には最大視野で気道の狭窄具合を患者さん自身に見せて説明できる」といった臨床活用例も報告されています[31] 。オプションのセファロ(頭部X線)アーム を装着すれば頭部規格写真も撮影可能で、側貌・PA(正面)の規格レントゲンや手根骨撮影により歯科矯正診断までカバーできます[32] 。Axeosはこのセファロアームを購入時に追加するか後から増設することもでき、装置本体の左右どちら側にも取り付け可能なため、診療室レイアウトに応じて柔軟に導入できます[33] 。パノラマ装置としての基本性能も非常に高く、デジタルパノラマ写真はオートフォーカス機能付き で常に鮮明な断層像を提供します[34] 。小児向けの低線量パノラマ撮影プログラムや、口外法バイトウィング撮影も搭載されており日常診療にも重宝します[5] 。一方で高度な症例では、HDモードによる80ミクロン解像度の3D画像で根管の副管や歯根破折線まで可視化 でき[29] 、インプラント埋入の際も骨幅や神経管の位置を正確に評価できます。加えてMetal Artifact Reduction(MARS) により金属修復物周囲の像乱れが軽減されるため、インプラント周囲炎の評価や根管充填後の確認といった場面でも診断精度が向上します[14] 。低被曝モードについても、通常の2Dパノラマ撮影とほぼ同等の線量で3D撮影が可能なため[13] 、「高精細が絶対必要な症例でなければ低線量モードで患者さんの安全性を高められる」という声もあります[29] 。このようにAxeosは一般歯科からインプラント・歯内療法・歯周・矯正・外科領域までオールマイティに活用できる 撮影装置です[30] 。多彩な撮影プロトコルと視野設定によって適応症例の幅広さ は突出しており、「Axeosがあれば院内のX線ニーズはほぼすべて満たせる」と言っても過言ではありません[35] 。
連携性(デジタルワークフロー統合): デンツプライシロナ製品らしくソフトウェアや他機器とのシームレスな連携 が図られています。撮影データは専用画像ソフトSidexis 4 上で管理・診断しますが、インプラント埋入計画ソフトや気道解析ソフトともワンクリックで連携 できるため、撮影画像から即座に治療計画ワークフローに移行できます[36] 。Sidexis 4上では撮影画像を複数同時表示し、術前術後の比較や経時的な変化を一画面でカウンセリング用レイアウトとして保存することも可能です[36] 。Axeos本体はDICOM規格に完全準拠しており、院内LAN経由で他社システムとも画像連携が容易です。 や との接続、DICOMワークリストによる患者情報受け渡し、DICOMプリンタへの出力など、大規模医療機関で求められる統合にも対応しています 。一方、個別のデジタル機器との連携面では、たとえば とのデータ統合が挙げられます。実際にAxeosを導入した日本のあるクリニックでは、院内のCERECプライムスキャン・プライムミルとAxeosの3Dデータを連動させ、インプラント手術用のサージカルガイドを自院で作製する取り組みをしています 。Axeos導入前はインプラントガイド製作を外部の技工所へ依頼して長期間待つ必要がありましたが、導入後は撮影データから即座にガイド設計・製造が可能となり、治療までのリードタイム短縮につながったといいます 。このように を構築できるのは本製品の大きな魅力です。さらにクラウドプラットフォーム との連携オプションも用意されており、撮影画像をクラウド経由で共有して他院の専門医とコンサルテーションしたり、遠隔地の技工所とデータ連携するといったことも視野に入ります 。総じてAxeosは ことを強く意識した製品で、撮った画像が孤立せず様々なデジタルソリューションに繋がる点がユーザーにとって大きなメリットです 。
価格帯・コスト: Axeosはハイエンド機種ゆえ価格は非常に高額 です。正式な標準価格は付属品構成によって変動しますが、本体(3D撮影ユニット)だけでおおよそ1,500万円前後(税別) 、さらにセファロアーム付モデルでは1,800万円近くになると見られます(2024年時点の価格表より)。実際、「Axeosは全てを備えた絶対的フラッグシップモデルで、その分値段もトップクラス だ」との指摘もあります[40] 。中堅クラスの他社CBCT(例えばVatechやCarestreamの装置など)の2〜3倍はする価格帯であり、歯科医院にとって一大投資と言えるでしょう。導入にあたってはリースや分割払いを利用するケースも多いようです。もっとも、コストに見合うリターンが得られるか という点については、導入ユーザーから「この装置で診断できるようになった症例の多さを考えれば、十分元が取れる 」との前向きな声が上がっています[41] 。高画質ゆえに発見できる病変が増え追加治療に繋がる、院内で完結できる治療が増え外注費や紹介料が減る、といった形で収益面でも貢献する可能性 があります。また価格以外のコスト面では、年間保守契約費用や定期点検費、必要に応じてX線室の改装費(遮蔽工事)なども考慮が必要です。さらに画像データ保存用サーバやビューワー用PCの増強 も求められるため[42] 、機器本体以外に付随する初期投資・ランニングコストも見積もっておくことが重要です。
品質・耐久性:製品クオリティと信頼性 の面でもAxeosは優秀です。デンツプライシロナは歯科用X線装置で125年以上の歴史を持つ老舗であり[3] 、Axeosにもその経験が余すところなく注がれています。堅牢なアーム構造と精密な回転機構によって、毎日の過酷な使用にも耐えうる作りです。実際、前世代のシロナ製CTを10年間使用しても診断上大きな問題はなく動作していたという報告もあり[38] 、適切なメンテナンス下では長期耐用が期待できます。画像面では前述の通りセンサー・ソフト双方で最新技術が投入され、 を提供します。導入医からは「他社CT画像で見られたハレーション(白ぼけ)がAxeos画像ではまったく無く、その鮮明さに感動した」という声もあり 、画質面の向上は顕著です。これだけ高性能にも関わらず撮影時の動作音は静かで振動もほとんど感じられず、患者さんに安心感を与えます。国際デザイン賞の受賞は単なる外観の美しさだけでなく も評価されたもので、特に「治療の質を高めるデザインと機能の融合」が認められています 。例えば前述のアンビエントライトや統合キャビネットは他社機に無い独自要素であり、これらが撮影時の快適さと効率を底上げしています 。ソフトウェア面でも、Sidexisソフトのアップデートにより新機能が追加提供されるなど、購入後も継続的に性能向上が図られています。総じてAxeosは であり、価格相応のプレミアムクラスの満足感を提供してくれるでしょう。
ユーザーの声: 実際にAxeosを導入・使用している歯科医師や技工士からは、おおむね高い満足度 が報告されています。まず多く挙がるのが画像の鮮明さ への評価です。ある米国のドクターは「Axeos導入後は画像が格段に鮮明になり、以前は目を凝らして見ていた所見も楽に確認できるようになった。金属充填物による散乱ノイズも明らかに減少した」と述べています[14] 。日本のユーザーからも「解像度が高く、しかも低線量モード撮影ができるので安心・安全なパノラマ・デンタル・セファロ・CT撮影が可能な最良の複合機 だと思う」という評価が聞かれます[44] 。診断精度の向上により「患者さん自身も3D画像で状態を把握でき、治療説明がしやすくなった」「今まで見逃していた小さな病変を多数発見できた」という声もあり、診療の質的向上を実感するユーザーが多いようです[41] 。また業務効率面 でも、「撮影準備から画像処理までスピーディーで、患者の待ち時間が減った」「スタッフでも簡便に扱えるので撮影を任せやすい」といったメリットが報告されています[25] [29] 。事実、前述のオートポジショナーについて「待ち時間が短縮される 」との具体的 testimonial があり[25] 、患者回転率アップに繋がっているようです。さらに「この装置のお陰で診断できる症例が増え、患者に最適なケアを提供できる。その点で導入費用以上の価値があった 」と語るドクターもおり[41] 、投資回収以上に臨床的メリット が大きいとの声も聞かれます。総合すると、「画質が良い・使いやすい・患者にも喜ばれる 」との評価が多く、Axeosはユーザーの期待に十分応えていると言えるでしょう。
3. 類似製品との比較と差別化ポイント 歯科用CBCT市場にはAxeosと競合する製品がいくつか存在します。代表的なものとしてJ.モリタ社のVeraview X800 、Planmeca社(フィンランド)の高性能CBCT 、KaVo(デジス)社のOP 3D/OP 3D Pro 、Vatech社(韓国)のGreen CTシリーズ 、さらにはCarestream社のCS9600 などが挙げられます。それぞれ特徴がありますが、Axeosは「オールインワンの最高峰モデル」 という立ち位置で明確に差別化されています[40] 。例えばVatechやKaVoの装置は大視野モデルでも価格が比較的抑えられておりコストパフォーマンスに優れるとされますが、Axeosほど先進的な機能や洗練されたデザインは備えていません[45] 。実際、ある販売経験者は「コスト重視ならVatechかKaVo、画質や性能ではSirona(デンツプライシロナ)とPlanmecaがベストだが値段も高い 」と述べており、Axeosはまさにハイエンド路線に位置します[45] 。他の高性能機としてモリタX800があります。X800も直径40〜150mmまで計11通りのFOVを持ち低被曝・高解像度撮影が可能であり、特に80µmボクセルでの精細画質やアーチファクト除去性能に定評があります[46] 。しかしX800の最大撮影径150mmはAxeosの170mm相当と比べわずかに狭く、また患者快適性を高めるデザイン要素(例えばアンビエントライトや自動高さメモリ機能等)はAxeosほど重視されていません[24] 。Planmeca社も高画質・大視野のフラッグシップ機(Planmeca Visoなど)を投入していますが、Axeosとの大きな違いはソフトウェア面での統合度 と言えるでしょう。デンツプライシロナは自社でCAD/CAMや治療計画ソフトまで包括しているため、Axeosで撮影したデータをそのままCERECやインプラントプランニングにスムーズに活かせます[38] 。一方、他社機を導入した場合、異なるメーカー間でデータ連携するには追加のビューワーソフトや変換が必要になるケースもあります。Axeosは同社エコシステム内で完結できる利便性 が際立っており、この点が他社との差別化ポイントです。また患者体験の向上 も特徴で、アンビエントライトや自動ポジショニングといった機能は他ブランドには見られない先進性があります[24] 。総合すると、競合機種と比べAxeosは「広い適用範囲」「統合されたデジタルワークフロー」「患者・ユーザー双方への配慮」を兼ね備えたプレミアム機 と言えます。他機種は価格や特定分野にメリットがあるものの、Axeosほどバランスよく高水準な装置は稀であり、「すべてを1台で実現したい」というニーズに応える点で一歩リードしています[40] 。
なお、デンツプライシロナ社内での比較では、Axeosは下位モデルのOrthophosシリーズ と明確に差別化されています。Orthophos Eは2Dパノラマ専用機(3D非対応)でエントリーモデル、Orthophos Sは中価格帯で一部3D対応可能なモデルですが、Axeosには2D専用モデルの設定がなく 最初からフル機能を搭載した3D専用機となっています[47] 。例えばOrthophos Sは購入後に3D機能を追加アップグレードできますが、Axeosの場合そもそも3D撮影が前提であり、そうした違いから位置付けとしては「より高度な画像診断を求めるユーザー向け」 となっています[3] 。価格もOrthophosに比して大幅に高価ですが、その分撮影視野の広さや画質、快適機能などすべてが強化された最上位モデルという明快な棲み分けがなされています。
4. この製品が向いているユーザー像 Axeosの導入に適したユーザー像 としてまず挙げられるのは、幅広い歯科治療をワンストップで提供している歯科医院 です。インプラントや歯周外科、矯正、歯内療法、口腔外科処置など複数の専門分野を扱う総合的なクリニックでは、Axeosの持つ広範な撮影オプションが真価を発揮します[6] 。たとえばインプラントセンター や矯正歯科併設の一般歯科 では、パノラマからCT、セファロまでオールインワンでこなせるAxeosが最適でしょう。「幅広い治療を提供する診療所向けの大視野・高画質システム」と公式に謳われている通り[2] 、様々な診療を展開する施設ほど導入メリットが高い と考えられます。加えて、デジタルデンティストリーに積極的なユーザー にも適しています。院内に口腔内スキャナーやミリングマシンを導入しデジタルワークフローを構築している医院では、Axeosを中心に据えることで画像から補綴物・ガイド製作まで一貫したデータ連携が可能です[38] 。実際、Axeos導入で「インプラントガイドを自院で作れるようになった」「デジタル機器同士の連携で診療の幅が広がった」という報告もあり[38] [48] 、デジタル機器を使いこなしたい先進志向の歯科医師 にはうってつけです。さらに患者体験の向上 を重視する医院、例えばリラックスできる空間づくりや最新設備による差別化を図りたい都市部のクリニックなどにもマッチします。アンビエントライトによる演出や短時間で終わる撮影は患者サービス向上に直結するため、ホスピタリティを重んじる経営方針の医院には価値が高いでしょう。
一方、導入を再考すべきケース としては、扱う症例が限定的で装置を持て余す可能性がある場合です。例えば月に数件程度しかインプラントを行わない小規模院や、根管治療も外部専門医に委託しているような医院では、Axeosほどの大視野・高性能は宝の持ち腐れになる恐れがあります。そのような場合は小〜中視野の廉価なCBCTや、必要な都度だけ外部撮影施設に依頼する方法の方がコスト効率に優れるでしょう。また装置自体が大型であるため、物理的に設置スペースが取れない診療所も導入は難しいです(後述の通り相応の専用室が必要です)。総じて、Axeosが向いているのは「幅広い診療を自院で完結させたい」「最先端の技術で診断・治療の精度を上げたい」 という強い意欲を持つ歯科医師・歯科技工士の方々と言えます[3] 。専門医や高度医療中心のクリニック、あるいは将来的に診療メニュー拡大を見据えた医院が、その投資に見合う恩恵を享受できるユーザー層でしょう。
5. 導入時の注意点(前提知識、導入コスト、運用条件など) Axeosの導入にあたっては、事前にいくつか留意すべきポイント があります。まず設置環境の要件 です。Axeosは床据置型の大型機器のため、十分なスペースと床強度を備えた撮影室が必要になります。特にX線機器ですので、室内の壁・床・天井には鉛板などによる放射線遮蔽工事を施し、外部への漏洩線量が法的基準内に収まるようにする必要があります[19] 。このため既存のレントゲン室を改装する場合は追加コストが発生します。ユニット本体の大きさはセファロアーム含め横幅がかなりありますので、配置場所のレイアウト確認 も重要です。セファロアームを後付けする予定がある場合は、ユニットの左右どちらにアームを付けるかを踏まえてスペース配分を決めなければなりません[33] (Axeosは右側・左側のどちらにもアーム取付け可能です)。また設置に際しては電源工事も考慮しましょう。機器によっては200V電源や専用回路を要するケースがありますので、事前に取扱店やメーカーと電気設備の確認をしてください。ネットワーク配線もGigabit Ethernet推奨など条件がありますので、IT担当者と調整が必要です。
次にITインフラとソフトウェアの準備 です。Axeosで得られる3Dデータは容量が大きいため、それらを保存・バックアップするサーバやNASの容量を十分に確保する必要があります[42] 。実際、導入には「画像を保存するサーバPCに大量のストレージを用意すべき 」とのアドバイスがあるほどで[42] 、最低でもテラバイト単位の空き容量を見込んでおきたいところです。画像ビューイング用のPCも高性能なものが推奨されます。デンツプライシロナの推奨スペックでは、Sidexis 4ソフトで3Dレンダリングをスムーズに行うために高性能GPU(例えばNVIDIA Quadro/Pascal世代相当)や十分なRAMを備えたワークステーションが求められています[49] [50] 。クリニックのPC環境が古い場合、同時に更新を検討した方が良いでしょう。またSidexis 4や各種プランニングソフトウェアのライセンス契約も事前に確認します。初年度は装置価格にソフト費用が含まれていても、将来的なバージョンアップや追加モジュール(インプラントプランニング、気道解析、ガイダンスソフト等)には別途費用がかかる場合があります。自院のニーズに応じてどのソフトを利用するか計画を立て、必要ならトレーニングも受けておくと良いでしょう。
スタッフ教育と運用体制 についても留意が必要です。Axeosは高度な画像が得られる反面、その恩恵を活かすには適切な操作と読影スキルが求められます。メーカーによる設置時のトレーニングでは、装置の使い方だけでなく被曝管理や撮影適応の判断といった前提知識 も学ぶ機会です。線量に関しては「必要以上に高精細な撮影は避け、低線量モードを活用して患者被曝を最小限に抑える」など基本的な考え方(ALARAの原則)をスタッフ全員で共有しましょう[11] 。また3D画像の読影は2Dとは勝手が違うため、術者自身も解剖学的な立体把握力を磨く必要があります。症例によっては歯科放射線専門医に読影を依頼する体制を取ることも検討してください。運用面では他にも、定期的な校正・点検(年1回程度の精度管理が推奨)、故障時のバックアッププラン(古いパノラマ機を残しておく、近隣施設と提携する等)も考慮すると安心です。メーカーの保守契約に加入すればトラブル時の対応もスムーズですが、その分ランニングコストがかかるため医院の予算に合わせて検討します。幸いデンツプライシロナはサービス拠点が全国にあり、サポート体制は手厚いとされています(「最も重要なのは販売後のサポート 」との指摘もあります[45] )。導入前に販売店とアフターサポート内容を十分に確認し、万全のフォローを受けられるようにしておきましょう。
最後に導入コストの回収計画 にも触れておきます。前述の通りAxeosは高額機器のため、導入による収益向上策を検討しておくことが望ましいです。具体的には、インプラントや矯正など自費診療メニューの拡充 や、CT撮影料の適切な保険請求、他院からの紹介患者受け入れによるCT検査受託などが考えられます。せっかく高性能なCTを導入したからには積極的に活用し、診断・治療の質を高めることで患者満足度と医院の信頼性向上に繋げましょう。その結果、医院全体の価値向上によって投資回収が達成できれば理想的です[41] 。
以上の点を踏まえ、Axeos導入の際は「設置環境の整備」「ITインフラの強化」「スタッフ教育」「サポート・維持計画」「収益プラン」という5つの側面で十分な準備をしておくことが肝要です。適切な準備のもとAxeosを導入すれば、その先進的なイメージングシステムは医院にとって大きな戦力となりうるでしょう。高性能ゆえハードルはありますが、それを乗り越えた先には最新鋭の画像診断がもたらす多大なメリットが待っているはずです。[38] [41]
参考文献・情報ソース: Dentsply Sirona公式サイトおよび製品資料[2] [3] [15] 、導入医院のレビュー記事[51] [44] 、海外でのユーザーレポート[14] [41] 、ならびにReddit上の専門家コメント[45] [40] など一次情報を中心に参照しました。各種スペックや機能説明はメーカー公表値に基づき、実使用者の声と合わせて客観的に記述しています。
[1] [5] [21] [22] [24] [30] [43] International iF Design Award for Axeos, the New 3D/2D X-ray System for Cutting-Edge Imaging in a Wide Range of Indications - Oral Health Group
[4] [15] デンツプライシロナ株式会社(器材)のおすすめ製品 | イベント・セミナー-TRADデンタルフェア2022 | 歯科材料・器械の株式会社田中歯科器械店
[40] [42] [45] I'm in the market for a CBCT. What questions should I be asking and what are ways to ensure I am getting a good deal? : r/Dentistry
[46] JMMC - Veraview X800 | MORITA
PACS(画像アーカイブ)
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