Sinius製品概要(用途・特徴・製品種別・臨床シーン)
Sinius(シニウス)シリーズは、デンツプライシロナ社のトリートメントセンター(歯科用ユニット)における次世代スタンダードモデルです[1]。診療効率の向上や患者の快適性、美しいデザインにより、デンタルユニットへの投資効果を実感できる高性能モデルとなっています[1]。直感的に操作できるタッチパネル式のユーザーインターフェース「EasyTouch」を採用し、多くの機能を統合しながらコンパクトにまとめられているのが特徴です[2][3]。
Siniusシリーズには3つのバリエーションがあり、歯科医の診療スタイルに合わせて選択できます。標準モデルのはユニット本体にスライド機構を備え、ドクターユニット(歯科医用テーブル)を前後にスライド移動できる設計です。(ontinental tyle)は上から器具を引き出す「ホイップアーム」タイプで、ハンドピースホースが上方から出るヨーロッパ流のスタイル。(raditional tyle)は患者の真上にアームを張り出す「オーバーアーム」タイプで、下垂式の器具ホースを備えた伝統的スタイルです。いずれのモデルもチェア一体型で省スペース設計となっており、小規模な診療室にも設置しやすいよう工夫されています。特に独自のチェアリフト機構と柔軟なユニット配置によりされており、限られたスペースでも有効に活用できます。
Sinius(スライディングトラック仕様)
Sinius CS
C
S
Sinius TS
T
S
空間効率が最適化
用途・臨床シーン: Siniusは一般歯科診療から専門的な処置まで幅広く対応できるオールラウンドなユニットです。標準でタービンやマイクロモーター、スケーラー、シリンジなど複数のハンドピースを装着でき、必要に応じて根管治療(歯内療法)やインプラント手術用の機能をビルトインできます[10]。たとえばオプションの根管治療モードでは根管長測定機能(アペックスロケーター)も追加可能で、安全かつ効率的な根管治療がチェア単体で完結します[11]。またインプラント用の埋入モーター・生理食塩水ポンプも統合でき、外科処置もユニットのタッチスクリーンから直接操作可能です[12]。これにより、一般歯科はもちろんインプラントオペや根管治療、補綴治療まで、診療チェアを移動することなく一台でこなすことができます。患者説明用の口腔内カメラ(シロカムAF/AF+)やモニターも組み込めるため、審美歯科や予防歯科など患者カウンセリング重視の診療にも適しています[13]。実際、Siniusは効率性・快適性・安全性と美しさのバランスに優れ、世界中の多くの歯科医が10年以上にわたりその品質を信頼して治療に活用してきた実績があります[14]。
評価軸に基づくレビュー(操作性/症例適応/連携性/価格/品質/ユーザーの声)
操作性(ユーザビリティ)
直感的な操作体系: Sinius最大の特徴の一つが、最新タッチパネルによる直感的な操作性です[3]。大型のカラー液晶タッチスクリーン「EasyTouch」により、チェアポジションから器械の出力設定、モード切替(治療モード、衛生モード等)まで指先で簡単にコントロールできます[2]。複雑な多機能ユニットでありながら、「誰にでも使いやすい」ユーザインターフェース設計が高く評価されています[2]。
フレキシブルなユニット配置: Siniusでは器具テーブルの配置を自由度高く調整できるため、術者の負担軽減に寄与しています。たとえばスライディングトラック仕様では、ドクターユニットを手動で前後にスライド移動でき、常に器具類を手の届く最適な位置に配置できます[5]。ホイップアーム仕様のSinius CSではユニット全体を最大240度回転でき、広い可動範囲で術者・アシスタント両方が扱いやすい位置に調整可能です[15]。また器具ホース(ハンドピース)の最大到達距離は90cmと長く確保されており、ユニット周囲での取り回しも良好です[15]。このように2ハンドでも4ハンドでも治療しやすい可動域を持つため、様々な体勢・ポジションでの診療をスムーズにサポートします[15]。
エルゴノミクスとフットコントロール: 人間工学に基づいた設計も操作性を高めるポイントです。標準装備のワイヤレスフットコントローラーは多機能ペダルとなっており、チェアのあらゆる動作を足元でハンズフリー操作できます[16]。無線式のため足元にケーブルが絡まず、診療室内で自由にペダル位置を変えられる利点があります[16]。これにより術中でも視線を患者から逸らさずにチェアや器具の操作が可能となり、ストレスフリーで効率的な治療が実現します。またユニット本体やチェアの角も丸みを帯びたデザインで、立ち座りや清拭時に引っ掛かりが少なく安全です[17]。総じてSiniusの操作系は、直感性・柔軟性・安全性に優れ、初めて高機能ユニットを扱う場合でも短期間で習熟しやすいと言えるでしょう。
症例適応(適応症例の幅広さ)
幅広い治療ニーズへの対応: Siniusは汎用性が高く、一般歯科から専門領域まで幅広い症例に適応します。標準の5ポジション・ユニットには高速ハンドピース、マイクロモーター、超音波スケーラー、光重合器、口腔内カメラなど必要に応じ多彩な器具をセットでき、診療内容に合わせた柔軟なカスタマイズが可能です[2][18]。特筆すべきは、オプションで歯内療法(根管治療)機能とインプラント手術機能を統合できる点です。根管長測定機能付きのエンドモーターを組み込めば、外付けの根管長測定器や別置きモーターが不要となり、チェア上で根管長の測定から形成・充填まで完結します[11]。またインプラント埋入用モーター&ポンプを内蔵すれば、滅菌外科用モーターを持ち込むことなくインプラント手術をチェア一台で実施できます[12]。タッチスクリーン上にインプラント用コントローラー画面が表示され、追加のフットペダルも不要になるなど、外科処置のワークフローがシンプルになります[12]。これらのビルトイン機能は使用しない時は画面に表示されないため日常診療の邪魔にならず、必要な時だけ呼び出せる点も効率的です。
臨床スタイルへの適応力: Siniusは二人態勢の四手術式から術者単独の二手術式まで幅広い診療スタイルに適合します[15]。ユニットの設計上、ドクター側・アシスタント側のコンポーネントを分離して配置できる「スプリットコンセプト」を採用しており、器具トレイを独立して動かすことも可能です[19]。これにより、担当医が一人で診療する場合でも器具トレイを手元に寄せて効率良く処置でき、アシスタント付きの場合はトレイを離して双方の動線を確保するなど柔軟に対応できます。Sinius CS(ホイップアーム)はヨーロッパで一般的な上方給器タイプで手首や腕への負担が少ないため、長時間の治療や細かい繊細な処置にも適しています。一方Sinius TS(オーバーアーム)は多くの日本の歯科医が慣れ親しんだ下垂式ホースで直感的に器具操作しやすいレイアウトです。それぞれのスタイルに合わせたモデルを選択できるため、術者の好みや経験に応じた最適な環境を整えられる点も優れています。
具体的適応症例: Sinius導入医院の声としては、「一般治療から矯正や口腔外科処置までこのユニット1台で対応できる」という評価があります。例えば矯正治療ではチェア一体型のデジタルレントゲン写真や口腔内写真をモニターに映して患者説明に活用したり、補綴治療では咬合調整時にチェアの細かな動き(微調整可能なヘッドレストや細かな昇降)で術者の姿勢を安定させたりと、多方面にメリットが報告されています(※ユーザー談)。このようにSiniusは、「オールインワンの治療環境」としてさまざまな症例に順応しやすいユニットだといえます。
連携性(デジタル・他機器との連携)
デジタルワークフローとの統合: Siniusはデジタル機器との連携にも優れており、診療の情報共有や説明ツールとして力を発揮します。オプションの22インチ一体型モニター(シビジョン)を搭載すれば、ユニットに取り付けられたカメラで撮影した口腔内写真や、院内ネットワークに保存されたレントゲン画像・CT画像をチェアサイドで表示可能です[20]。タッチパネルのEasyTouch画面から撮影画像やプランニングデータに即座にアクセスでき、患者に視覚的に治療内容を説明することができます[20]。実際、「X線画像や口腔内写真、プランニングビューを患者さんに見せながら治療計画を説明できるため、患者の理解と納得を得やすい」という報告もあります[20]。デンツプライシロナの画像ソフトウェアSidexis 4にも対応しており、モニター上で直接画像比較や拡大表示ができるほか、他のデジタルデータ(例えばCERECによるスキャンデータ等)も統合的に扱えるプラットフォームとなっています[21]。こうしたチェアとデジタルデータの融合により、診療記録の参照や患者説明がシームレスになり、医院全体のデジタルワークフローに組み込みやすいのが特長です。
機器間の接続性: Siniusには各種ポートやインターフェースも備わっており、外部機器との接続も考慮されています。例えばUSBポート経由でソフトウェアアップデートやデータ取り込みが可能であったり、外部ディスプレイ出力、院内LAN接続によるデータ共有機能などが用意されています(モデル・構成による)。またシロナ製の口腔内カメラ(SiroCam AF/AF+)を組み込んだ場合、その映像はタッチパネルやモニターにリアルタイム表示でき、静止画保存やSidexisへの送信もワンタッチです[13]。これにより撮影から説明まで一貫してチェア上で行えるため、他の撮影機器を別途用意したり移動したりする手間が省けます。さらにエアタービンやマイクロモーターはシロナ製以外にもW&H社やNSK社など多様なメーカーの物を装着可能(国際標準規格に準拠)であり、手持ちの器具を活用しつつユニットの性能を引き出すこともできます(※メーカー資料より)。総じてSiniusは、医院内外のシステムや機器と円滑に連携できる拡張性を備えており、現代のデジタル歯科医療のニーズにマッチしたプラットフォームとなっています。
価格(コストパフォーマンス)
導入価格帯: Siniusシリーズはハイエンド寄りの高機能機種ですが、その中ではコストパフォーマンスが高いと評されています[2]。基本構成の「スタートパッケージ(T1ライン)」での標準価格は約498万円(税別)と公表されており[22]、同社最上位モデルのTeneoより低価格でありながら多くの先進機能を備えています。必要な機能のみを選択して導入し、後から追加オプションで拡張できるモジュール式の販売コンセプトも取られており、初期費用を抑えつつ将来的な機能強化が可能です[23]。例えば初期導入時には基本的なユニット機能のみ導入し、インプラントやエンドのニーズが出てきた段階で該当オプション(埋入モーターやアペックスロケーター等)を追加するといった計画的な投資ができます[23]。この柔軟性により、「必要な機能にのみ投資できる経済性」が実現しており、中長期的には医院経営にも優しい選択肢といえるでしょう[23]。
ランニングコストと費用対効果: Siniusは高度な衛生システムや電子制御機構を備えるため、低価格ユニットに比べメンテナンス費用や消耗品コストがやや高めになる傾向があります。しかしその分、卓上型の機器が不要になる(別売りの根管長測定器やインプラントユニットを買わなくて済む)ことや、治療時間短縮による診療効率アップで長期的に見ると費用対効果は高いと考えられています[2]。実際、Sinius導入後に「外科用モーターを別途準備・滅菌する手間がなくなり、診療の合間時間が有効活用できるようになった」「患者説明が円滑になり自費症例の成約率が上がった」といった声もあり、投資に見合うリターンを感じているユーザーも多いようです(※ユーザー談)。また、耐久性や保守面でも優れており、10年以上にわたり信頼して使い続けられる品質[14]と考えれば、長期運用でのコスト回収も十分可能でしょう。総合的に見て、Siniusシリーズは先進機能による付加価値と導入・運用コストのバランスが取れた製品と言えます。
品質(信頼性・デザイン・衛生面)
高い品質と信頼性: デンツプライシロナの製品らしく、Siniusは細部まで高品質な作り込みがなされています。その信頼性は世界中で実証済みで、発売以来10年以上にわたり多数の歯科医師がSiniusの品質に信頼を寄せているほどです[14]。ドイツ基準の厳格な品質管理のもとで製造されており、チェアの動作の滑らかさ、塗装・樹脂部品の仕上げ、耐久性の高い可動部構造など、長期間の使用に耐える堅牢性を備えています。「診療ユニットは診療の基盤」であるだけに、信頼のおけるテクノロジーと耐久性が不可欠ですが、Siniusはまさにそれを体現したユニットです[24]。
デザインと快適性: Siniusシリーズはデザイン面でも高く評価されています。洗練された曲線主体のフォルムは診療室をスタイリッシュに演出し、患者にも安心感と高級感を与えます。実際に日本のユーザーからは「Siniusの横からのプロポーションは非常に美しく、このデザインは唯一無二だ」との声も上がっており、その美観が医院のイメージアップにつながっているようです[25]。また機能美と実用性を両立している点も見逃せません。チェアは薄型で患者の乗降がしやすく、背もたれと座面が連動して動くエルゴモーション機構により患者の背骨を無理なく伸展させながら治療姿勢へ誘導します[26]。加えてランバーサポート(腰部支持)機能で患者一人ひとりの背中の形に合わせて背もたれのカーブを調整できるため、長時間の治療でも患者の負担を軽減します[27]。これらの配慮によって、「Siniusのもたらす特別な快適さは特に長時間の治療で効果を発揮し、患者さんはリラックスでき、術者は治療に集中できる」という評価も得ています[28]。つまりSiniusは患者・術者双方にとって快適な環境を提供し、結果的に医院のサービス品質向上につながるユニットだと言えるでしょう。
衛生管理と安全性: 現代の歯科ユニットにおいて最重視される感染制御・衛生管理の面でも、Siniusはトップクラスのシステムを搭載しています。ヨーロッパの厳格な基準に準拠したハイジーンシステムが標準装備されており[8]、ユニット内部の給水ラインのバイオフィルム増殖を抑制するための複数の機構がビルトインされています。具体的には、使用水に過酸化水素水を自動混入して常時除菌する「給水清浄システム」、定期的に水路内を薬液で満たして浸漬洗浄する「サニテーション(滅菌)モード」、および毎日の使用後・使用前に水を強制排出する「オートパージ機能」の3システムです[29][30]。これらはいずれもSinius(および上位機種Teneo、Sinius TS)では標準で搭載されており、外付け装置に頼らずユニット内で完結する感染対策が可能です[31]。この衛生システムはドイツの病院衛生協会(DGKH)によって認証されており、ロベルト・コッホ研究所やBfArM(連邦医薬品医療機器研究所)など公的機関の厳格な要件を満たしていると評価されています[32]。要するに、Siniusを導入するだけで世界水準の院内感染対策を実践できるわけです。さらに唾液鉄やハンドル類は簡単に着脱・滅菌できる設計で、表面も継ぎ目の少ないシームレス加工により清拭しやすく清潔性に配慮されています[17]。衛生面で妥協しない作り込みは、コロナ禍以降とくに重視されるポイントであり、安全・安心な診療環境を提供するうえでSiniusの品質の高さが大きな強みとなっています。
ユーザーの声
実際にSiniusシリーズを導入した歯科医師からは、その性能や効果に関して肯定的な声が多数聞かれます。例えばドイツ開業医のDr.ヴェレナ・フライヤー氏は「ビルトイン患者コミュニケーションシステムのおかげで、私が見ているものを患者さんにも見せることができます。患者さんに直接関わってもらうことで信頼が生まれ、症例受け入れ率が向上し、紹介も増えました」と述べており[33]、チェア一体型モニターで患者と情報共有するメリットを実感しています。同様に日本の中田光太郎先生(京都府開業医)はデザイン面を高く評価しており、「Siniusの横からのプロポーションは非常に美しい。このデザインは唯一無二だと思っています」と絶賛しています[25]。また別のユーザーからは「予約した患者さんがチェアを見て驚き、医院の設備に信頼感を持ってくれた」「インプラントオペをこのユニットで始めてから滞りなく進められ、外科処置の時間短縮につながった」等の声もあり(※メーカー展示会レポートより)、デザイン性・機能性の双方で導入後の満足度は高いようです。総じてユーザーからはSiniusによる診療の効率アップと患者満足度向上が報告されており、「使いこなすほどに医院の強みになるユニット」と評価されています。
類似製品との比較と差別化ポイント
同社内の別シリーズとの比較(IntegoやTeneoとの違い)
デンツプライシロナ社の治療ユニットには、Siniusの他に上位モデルのTeneo(テネオ)や普及モデルのIntego(インテコ)があります。それぞれ性能と価格帯が異なり、Siniusはその中間に位置するミッドハイレンジモデルです。
Teneo(テネオ)との比較: Teneoはメーカー最上位のプレミアムユニットで、Siniusを凌ぐハイエンド機能とラグジュアリーな装備を備えています。例えばTeneoでは電動ヘッドレストが標準搭載(Siniusではオプション対応)であったり、チェアの回転機構(左右への旋回)や自動プログラム機能がより充実しています。また操作パネルもさらに大型で直感的になっており、ペダル操作一つで自動的にプログラム実行できる「オートマチックポジショニング」機能など高度な自動化が図られています(※メーカー資料)。一方で筐体サイズはTeneoの方が大きめで、価格もSiniusに比べかなり高額です。衛生面では両機種とも同等の水質管理システムを備えていますが[31]、Teneoはより洗練されたデザインと快適機能(例えばマッサージ機能付きシートやより高級なシート素材の選択肢など)で患者サービスを極めたモデルと言えます。要約すると、「最高峰の快適性と先進技術」を求めるならTeneo、コストを抑えつつ主要機能は押さえたいならSiniusという棲み分けになります。SiniusはTeneoに比べ価格メリットが大きく、必要十分な機能を持ちながらよりコンパクトで取り回しやすい点が差別化ポイントです[8]。
Intego(インテコ)との比較: IntegoはSiniusより下位のモデルで、必要最小限の機能にフォーカスしたコスト重視のユニットです。チェアやアームの基本構造はSiniusと共通する部分もありますが、タッチパネルではなく物理ボタン操作が主体であったり、内蔵できるオプションが限定されます。例えばIntegoではエンドモーターやインプラント機能は上位版の”Intego Pro”でオプション対応となりますが、標準モデルでは搭載できません[31]。また衛生システムも簡易型(オートパージはオプション対応)で、Siniusのようなフルスペックの水路除菌システムは備えていません[31]。その代わり価格はSiniusより抑えられており、小~中規模の歯科医院が導入しやすいエントリーモデルとなっています。差別化ポイントとしては、SiniusはIntegoに比べ機能拡張性とデジタル対応力で勝り[34]、タッチパネルや統合モーターなど最新技術による効率化が図れます。一方Integoはシンプルな操作性と必要十分な基本性能でコストパフォーマンスに優れ、分かりやすさや初期投資の低さが魅力です。既にデジタル機器をあまり使わず基本診療が中心という医院にはIntegoでも賄えますが、将来的な高度治療への拡張を見据えるならSiniusの方が安心と言えるでしょう。
他社ユニットとの比較(類似他社製品との違い)
Siniusシリーズを他社製品と比較すると、いくつか際立った差別化ポイントが見えてきます。まずデジタル技術と統合機能の面で、Siniusは他社の同クラスユニットと比べてもリードしています。例えば国内メーカーの一般的なユニットでは、根管長測定器やインプラント用モーターは外付けで対応することが多く、チェア側に統合されていない場合がほとんどです。しかしSiniusはそれらをユニット内に組み込めるため、治療中に機器を追加セッティングする手間が不要でスムーズに処置を進められます[12]。またユニット一体型のモニターやタッチ式操作パネルも、他社製品ではオプション扱いか設定自体ないケースがありますが、Siniusでは純正オプションとして確立されシステム全体が有機的に連携するよう設計されています[20]。これは「デジタル連携を前提としたユニット」というSiniusの強みであり、最新の診療スタイルに適合しやすい点です。
次に衛生管理性能ですが、Siniusの水回路クリーンシステムや自動洗浄機能は業界でもトップレベルで、他社ユニットでは手動で行う作業を自動化している場合があります[30]。例えば国産大手メーカーのユニットでも、使用後の水抜きや消毒はスタッフ任せになっていることがありますが、Siniusではワンタッチで滞留水の除去から薬液循環まで完了するためヒューマンエラーが減り、安全性が向上します[30]。これは特に感染対策に敏感な昨今、大きなアドバンテージと言えます。
また設計思想・デザインの違いも挙げられます。たとえばモリタ社の一部ユニット(Spacelineシリーズ等)は左利き右利き問わず使える左右対称設計や独特のチェア形状で知られますが、その代わりデジタル統合は必要最低限です。一方Siniusは左右切り替えの即応性ではモリタに劣るものの、洗練されたデザインと先進機能の調和に注力しており、クリニックのモダンな雰囲気づくりとハイテク化に寄与します[25]。ベルモント社やヨシダ社など国内他社の中価格帯ユニットと比べても、Siniusの方が欧州的な洗練デザインである点、統合モニターによる患者コミュニケーション機能が充実している点で差別化できます[33]。加えてSiniusのコンパクトさは都心部の狭い診療空間に適合しやすく、この点は大型になりがちな海外他社製高級ユニット(例:KaVo社やPlanmeca社の上位モデル)より有利です[8]。総合すると、Siniusは他社製品に比べ「デジタル統合」「衛生安全」「省スペース設計」で優位に立つ一方、「左右切替機構」や「価格面」では一部国産機に分があるという図式になります。どのポイントを重視するかで評価は変わりますが、Siniusはトータルバランスに優れた先進ユニットとして高い競争力を持っていると言えるでしょう。
この製品が向いているユーザー像(適した医院・治療スタイル)
総合歯科から先進治療まで展開する医院: Siniusシリーズは、幅広い診療メニューを提供する歯科医院に特にマッチします。一般歯科はもちろん、インプラントや矯正、エンド(根管治療)、審美など包括的な歯科医療を掲げるクリニックでは、Siniusの統合機能が真価を発揮します。例えば「インプラントも根管も自院で完結させたい」という医院では、別個の機器を揃えるよりSinius一台でオールインワン化する方が効率的で、院内の機器管理もシンプルになります[11][12]。また診療チェア台数が限られる医院(チェア1~2台規模)でも、Siniusがあれば各台が多目的に使えるため「この椅子は外科専用、あちらは一般診療用」と分ける必要がなくなり、フレキシブルに運用できます。つまり少ない設備で多くの処置に対応したい医院に向いていると言えます。
患者体験・医院イメージを重視する医院: Siniusの洗練されたデザインや充実した患者向け機能は、ホスピタリティを重視するクリニックにも適しています。高級感のあるユニットは患者から見ても安心感・信頼感につながりやすく、実際「新しいユニットに変えたら患者さんの医院設備に対する評価が上がった」との声もあります(ユーザーレビューより)。モニターにレントゲン画像や口腔内写真を映して説明するスタイルはインフォームドコンセントを重視する医院にフィットし、患者とのコミュニケーションを深めたいドクターに向いています[33]。例えば審美歯科やインプラント中心の自費診療クリニックでは、治療内容を丁寧に説明し患者理解を得ることが重要ですが、Siniusの患者説明システムはその強力な助けとなります[33]。加えて、長時間の治療でも患者が快適に過ごせるチェアであることから[28]、全顎的な治療や手術、あるいはリラクゼーションも提供するような「滞在型の診療」を行う医院にも最適です。
都市部・狭小スペースの医院: 独自のコンパクト設計により、Siniusはスペース効率を求める医院にも向いています[9]。都市部のテナント開業などで診療室が手狭な場合でも、Siniusの省スペースなフロアベース(チェア昇降部が小型)や可動アーム設計により、レイアウトの自由度が高まります[9]。特にSinius TSのオーバーアームはユニット本体の設置面積が小さく、狭い診療室でも圧迫感を与えません(必要なときだけアームを患者正面にスイングするため)。またSinius CSはホイップアームのためフロア周りに器具が散らからず、ユニット周辺をクリーンで広々と使える利点があります。このように、診療空間を有効活用したいクリニックや、ユニット周りをスッキリ見せたい医院にとって、Siniusのコンパクト性と機能集約性は大きな魅力です[8]。
高度な衛生管理を売りにしたい医院: 「水や衛生面に徹底配慮しています」とアピールしたい医院にもSiniusは適しています。標準で装備された高度な衛生システムは患者への安心材料となり、特に小児歯科や口腔外科など感染予防が重視される分野では他院との差別化要素になります。「うちのユニットは最新の自動除菌システムでいつも清潔な水を使っています」と説明できれば、患者の信頼獲得にも繋がるでしょう[8]。近年は院内感染対策を広告に掲げる歯科医院も増えており、Sinius導入はその具体的な裏付けともなります。
まとめ: Siniusシリーズは、高度な機能と快適性を求めるハイエンド志向の医院から、将来を見据えて設備投資を行う成長志向の医院まで幅広くマッチします。その一方、機能を持て余すような小規模・限定的診療にはオーバースペックになる可能性もあります。基本的には「先進技術を積極的に診療に取り入れ、患者サービス向上や医院ブランディングにつなげたい」と考えるドクター・医院にこそ、Siniusは向いていると言えるでしょう。
導入時の注意点(前提知識、導入コスト、運用条件など)
導入前の準備・知識: Siniusを導入する際は、その高度な機能を十分に活用するための準備が必要です。まずタッチパネル操作や各種ビルトイン機能について、メーカーや販売店からの操作トレーニングを受けることが推奨されます。従来のシンプルなユニットから切り替える場合、根管長測定機能の使い方やモニターへの画像表示方法、無線フットペダルの扱いなど新たに習得すべき事項があります。メーカー担当者による初期セッティング時の説明を医院スタッフ全員で共有し、事前にマニュアルを読み込んでおくことが大切です。またSiniusにはCS/TS/スライディングトラックの3タイプがありますが、医院の診療形態に最適なモデルを選ぶために事前によく検討しましょう(例えばアシスタントを付けない診療が多いならCSやトラック式が有利、一方で従来型スタイルに慣れているならTSが無難、など)。診療室のレイアウトとの相性も考慮すべきポイントで、ユニット設置スペースや配管・配線経路、天井の高さ(ライトの取り付け位置)など物理的条件を事前に確認し、必要なら内装業者と調整しておきます。
導入コストと費用管理: 前述の通りSinius本体価格はオプション選択によって変動します。導入予算内でどの機能を含めるか計画することが重要です。例えば「根管長測定や埋入モーターはすぐ使う予定がない」という場合、それらオプションは見送り基本構成で導入し、後から必要になった時点で追加する方がコスト効率的です[23]。一方で後付けに工事費がかかる項目(配管を伴う生理食塩水ポンプや、チェアへのモニターアーム取り付け等)については、導入時にまとめて設置した方が結果的に安価になるケースもあります。販売代理店と相談しつつ初期投資の優先順位を決めましょう。またランニングコストとして、ユニット専用の消耗品(水路除菌剤デントセプトP等)や、定期点検契約の費用も見込んでおく必要があります[29][35]。高機能ユニットは精密機器でもあるため、購入後の保守メンテナンスを正規代理店に依頼することが推奨され、その費用(年次点検や消耗部品交換費用)も考慮に入れておきます。特に保証期間終了後は部品代が高額になることもあるので、長期保証プランの有無も確認すると安心です。
設置・導入時の注意: Siniusは据え付けに際して専門業者による設置工事が必要です。床固定や配管接続、電源工事などが発生しますので、導入スケジュールに余裕をもたせ、可能なら休診日や連休を利用して工事を行うと良いでしょう。ユニット搬入経路も事前に確認が必要で、エレベーターのサイズや階段幅によっては分解搬入となる場合もあります。メーカーまたは販売店と打ち合わせの上、院内の他設備(ユニット周辺の棚やレントゲン機器等)との干渉がないよう配置を検討します。また既存ユニットからの入れ替えの場合、古いユニットの撤去処分費も発生しますので見積もりに含めておきます。
運用・メンテナンス条件: 高機能なSiniusを安定して運用するには、日々の手入れとルール遵守が欠かせません。特に衛生面では、搭載された自動洗浄システムを適切に稼働させることが重要です。毎日診療後のホース内パージ(残留水排出)、週1回以上のサクションホース洗浄(専用クリーナー使用)、数週間に一度のサニテーションモード実行など、メーカー推奨の手順をスタッフ全員が理解し実施する必要があります[36][30]。これらはボタン操作で自動化されていますが、専用薬液の補充や所要時間の管理など、人の関与も求められます。導入時に担当者から衛生機能の使い方を教わり、マニュアルを見える場所に掲示するなどして確実な運用を心がけましょう。
また、無線フットペダルは定期的な電池交換(もしくは充電)が必要ですし、タッチパネルも鋭利な器具で触れると傷つく恐れがあるため取扱注意です。万一システムエラー等が起きた場合に備え、メーカーサポートの連絡先や簡易リセット方法なども把握しておくと安心です。複数台のユニットをネットワーク接続している場合は、院内LANのトラブル対策(代替表示手段の用意など)も検討してください。
以上のように、Siniusシリーズは導入にあたって細かな計画と準備が必要ですが、それだけの価値がある高性能ユニットです。正しい知識とメンテナンスのもとで使いこなすことで、歯科医院の診療クオリティと効率を大きく引き上げてくれるでしょう。各種資料やメーカーサポートも活用しつつ、ぜひ長所を最大限に引き出して運用してください。
[3][4][21] Sinius Dental Chair | Dentsply Sirona Slovenia
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