Axano1. 製品概要(用途・特徴・製品種別・臨床シーン)
Axano(アクサーノ)はDentsply Sirona(デンツプライシロナ)社が約11年ぶりに投入したフラッグシップの歯科用治療ユニット(トリートメントセンター)です[1][2]。従来同社の最上位機種であった”Teneo”の後継として位置づけられており、デザイン性・ワークフロー効率・デジタル機能のすべてにおいて進化した最新モデルです[1]。診療用チェア本体とドクター用ユニット、アシスタント用ユニットが一体となった大型機械で、一般歯科診療からエンド(根管治療)やインプラント処置まで幅広い臨床シーンでの活用を念頭に設計されています。例えば、スマートタッチ操作パネルや統合型のエンド・インプラント治療機能を備え、診査から治療、説明までチェアサイドで完結できる包括的なユニットとなっています。デザイン面では洗練されたミニマルデザインにアンビエントライト(間接照明)を組み合わせ、診療空間をエレガントに演出しつつ、歯科医療従事者・患者双方に快適な治療環境を提供します[3]。総じてAxanoは、を融合した次世代型ユニットといえます。
スマートデザインと効率的ワークフロー、人間工学に基づく優れた治療体験
図1: Dentsply Sirona Axano ユニット外観(大型タッチパネル搭載のドクターユニット、アシスタント側ユニット、ライト一体型)
2. 評価軸レビュー
操作性(ユーザビリティ)
直感的な操作性がAxano最大の特徴の一つです。10.3インチ大型マルチタッチディスプレイ「Smart Touch」はユニットの中枢であり、スマートフォンのような感覚で主要機能にアクセスできます[6]。画面上のインターフェースはユーザーごとに細部までカスタマイズ可能で、必要な機能をわかりやすく配置できるため、歯科医師それぞれのワークフローに合わせた操作体系を構築できます[7]。また、コードレスの多機能フットコントロール「Smart Control」を採用しており、足先だけでチェア位置の調整から器械作動までハンズフリーで行える点も優れています[8]。この無線フットペダルにより、術者は手を清潔に保ったまま主要操作を行えるため、アシスタントに頼らず一人でもスムーズに治療を進められる利点があります。[9][8]
チェアの物理的な動作も人間工学に配慮されています。新開発の電動スライド式アーム「Smart Delivery Pro」により、ドクターユニット(手元の器具トレイ部)は常に術者の手の届く位置に自動移動し、高さも術者の体格に合わせて自動調節されます[10]。これにより長時間の処置でも無理のない姿勢を保ちやすく、立位・座位いずれのポジションでも快適に作業できるよう工夫されています。またチェア可動は非常に滑らかで動作音も静かなため、ポジション調整時にも患者に余計なストレスや不安を与えません[11]。ヘッドレスト角度や伸長も電動制御されており、Smart Touch画面またはフットペダルから患者の体格に合わせ微調整できます[12]。さらに、うがい用シンク(バキューム付きコップ水洗 bowl)はリンス時に患者側へ自動旋回・復帰する機構を持ち、診療と口すすぎをシームレスに行えるようになっています[13]。これらの自動化・電動化機能により、術中の細かな調整が直感的かつ迅速に行える操作性を実現しています。
症例適応(対応できる治療の幅)
Axanoは汎用性が高く、一般歯科の診療はもちろん専門的な処置にも適応できる拡張性を備えています。特筆すべきは根管治療(歯内療法)機能の統合です。ドクターユニットに内蔵されたエンドモードではファイルライブラリ(ファイル種類のプリセット)が利用でき、設定トルク値や回転スピードを症例に応じて自動制御できます[14]。内蔵のアペックスロケーターにより根管長測定がチェア上で可能で、計測値やファイルの進行状況はSmart Touch画面およびオプションのモニター上に可視化されます[14][15]。また根管の複雑度パラメータに応じてトルクとスピードを最適化しファイル破折リスクを低減する高度な安全機能も搭載されています[16]。これらにより外付けのエンドモーターや測定器を使わずとも高難度の根管治療をこなせる設計になっています[14]。
インプラント治療機能もAxanoの強みです。ユニット内のインプラントシステム・ライブラリから使用するインプラント種別を選択すれば、対応するドリル回転速度やトルク値、注水量といったパラメータがあらかじめプリセットされます[17]。専用のインプラント用モーター(ドクターユニット下部に接続可能)と併用することで、外科用モーター装置を別途用意せずとも安全かつ効率的なインプラント埋入オペが行えます[18][17]。手術中のエンジン負荷や埋入トルクなどプロセス情報は、チェアに装着した22インチの「Sivision」モニター上に表示・記録できるため、術者はリアルタイムで状況を把握しながら確実なオペ進行が可能です[17][19]。さらにAxanoには「Face機能」と呼ばれるう蝕検知補助モードも備わっており、専用ハンドピースからの蛍光照射により齲蝕部位を可視化することで、窩洞除去を精密に行うことができます[20]。このように保存修復からエンド、インプラント外科まで幅広い症例に対応できる点はAxanoの大きな魅力です。診療チェアとしての日常的な使い勝手を損なうことなく、必要に応じて高度な専門治療にもシームレスに移行できる柔軟性は、先進的な歯科医院にとって心強い特長と言えるでしょう。
連携性(他機器との接続・システム統合)
システム連携能力もAxanoの評価すべきポイントです。Dentsply Sirona社が提唱する”デジタルデンティストリー”戦略の一翼を担う製品だけあり、デジタル機器やデータとのスムーズな接続が意識されています。例えば、ユニットに内蔵されたSiroCam AF+ 口腔内カメラで撮影した鮮明な口腔内画像や、3Dレントゲン画像・口腔スキャナーのデジタル印象データなどをチェア側モニターに直接表示し、患者への説明に活用できます[19]。Smart Touch画面上でこれら画像をその場で選択・マーキング・トリミング・テキスト追記できる機能もあり、従来は診療後にPC上で行っていた説明資料作成をチェアサイドで直ちに行うことが可能です[21]。これにより患者とのコミュニケーションが円滑になり、より説得力のあるコンサルテーションが実現します。
ハードウェア面では、専用モニターブラケットへの22インチディスプレイ設置や無影灯LEDview Plusの統合など、ユニット周辺機器との一体運用が考慮されています。LEDview Plusライトは手をかざすジェスチャーでオンオフでき、コンポジットモード(充填物硬化を遅らせる照明モード)も備えており、治療に応じた最適な照明環境を提供します[22]。また、ユニット給排水ラインの衛生管理システムが標準搭載されており、オートパージ(自動洗浄)や専用の洗浄モジュールによって、外付け機器なしで水回りの衛生を高水準に維持できます[23]。この水消毒システムは欧州の厳格な衛生基準を満たし、30年以上の実績で信頼性が証明された技術であり[24]、医院内の感染予防体制との親和性も高いです。
他社機器との接続についても、基本的なエアー・バキュームや検査機器類は汎用的に接続可能です。例えば手術用顕微鏡を併設する際にはモニター出力を共有したり、CT画像診断ソフト(同社のSidexisなど)と連動して撮影画像をSmart Touch画面に呼び出すといった統合運用も可能です。実際、Axano導入医院ではマイクロスコープやCTを備え、チェアモニターを介して精密治療に活用しているケースもあります[25]。さらにDentsply Sirona社のクラウドプラットフォーム「DS Core」とのデータ連携や、ユニットのソフトウェアアップデートによる機能拡張も計画されており(定期的なソフト更新で最新状態を維持可能と案内されています[26])、長期的にも先進のデジタルワークフローに組み込める接続性を備えていると言えるでしょう。
価格帯・コスト
Axanoの価格帯は、同クラスの歯科用ユニットとしては最高級レンジに位置します。日本市場での本体標準価格は約850万円(税別)と案内されており[27]、これはユニット単体としては相当な高額です。ヨーロッパでもオプション込みでは€50,000〜€100,000(日本円で約7百万円〜1千数百万円)程度になるとの情報もあり、導入には大きな投資判断が必要です。もっともAxanoは標準で充実した機能を搭載するオールインワン設計のため、例えばエンドモーターやアペックスロケーター、手術用ライト、カメラ、モニター等を個別に買い揃える場合と比較すれば、トータルコストに見合う価値を提供する面もあります。また同社他モデル(ミドルクラスのSiniusやIntegoなど)と比べても上位グレードにあたるため、価格も相応に上乗せされています。導入検討に際しては、必要な機能オプションの取捨選択によってある程度コスト調整が可能です。例えば22インチモニターや口腔内カメラ、タービンやエンド用ハンドピース類、フットペダルの種類(ベーシックか多機能か)などは選択により価格に差が出ます。購入後もソフトウェアアップデートは無償提供されるようで、長期的な製品価値維持にも配慮されています[26]。いずれにせよ初期導入費用は高額なため、リースやローンなどファイナンスプランの活用、他機器購入とのバンドルディスカウント等も含め、販売代理店とよく相談すると良いでしょう。導入後の保守契約費用も高めと予想されますが、これは精密な治療ユニットゆえ必要な投資といえます。費用対効果を最大化するには、Axanoの先進機能を診療に活かしきる運用計画が求められます。
品質・耐久性
製品品質の面でもAxanoはトップクラスと評価されます。製造は歯科先進国ドイツで行われており、多くの日本導入医院が「世界最高水準のドイツ製ユニット」としてその精度と耐久性に信頼を寄せています[28]。実際、Dentsply Sirona社(旧シロナ)のユニット製品はドイツ・ベンスハイム工場で厳格な品質管理のもと作られており、高品質素材の採用や長期耐久テストによって長年使用に耐える堅牢性を備えています[29][30]。Axanoでも外装に高品質ガラスパネルを用いるなど衛生的かつ傷が付きにくい仕上げとなっており、日常清拭やメンテナンスが容易で美観と清潔さを長期間維持できます[31][32]。可動部の機構も静粛かつスムーズで、頻繁な昇降・回転動作に対しても安定した動作を保つよう設計されています[11]。また前述の給水ライン衛生システムをはじめ、ユニット各所に着脱可能な滅菌対応コンポーネント(うがいボウル、吸引ホース、トレー等)が採用され、清掃・殺菌しやすい構造となっています[23]。こうした設計は日々のメンテナンス性を高めるだけでなく、ユニット自体の寿命延長(劣化しにくさ)にも寄与するものです。
耐久性に関しては発売からまだ年数が浅いため実績データは限られますが、旧モデルTeneoが10年以上にわたり世界各地で使用され高い信頼性を示したことから、Axanoもその蓄積を受け継ぎ堅牢性は折り紙付きと予想されます[1]。メーカーは「信頼性と効率の融合。本質に集中する時間を増やす」というコンセプトを掲げ、ユーザーがメンテナンスに煩わされず治療に専念できるユニットを目指したとしています[9][33]。実際、導入医院からは「長時間の治療でも疲労を感じにくいクッション性と安定感がある」「衛生管理も徹底でき安心」といった声があり[34][24]、品質への満足度は高いようです。もちろん精密機器ゆえ定期点検や消耗品交換(フィルター類、シール類など)は欠かせませんが、適切なケアを行えば長期にわたりクリニックの主力として活躍してくれる耐久性を備えているといえるでしょう。
ユーザーの声(歯科医師・スタッフのフィードバック)
実際にAxanoを導入した歯科医院からは、術者・患者双方の快適性向上を評価する声が上がっています。名古屋のあるクリニックでは「患者様がリラックスできるよう考え抜かれた設計で、体にフィットし治療中も快適に過ごせます」とし、特にチェアの座り心地の良さを強調しています[35]。同院では動作音の静かさやポジション調整の滑らかさにも言及し、「チェアの動きが非常にスムーズで余計なストレスを感じない快適な環境で治療を受けていただけます」と患者体験の向上を実感しています[11]。一方、歯科衛生士の視点からは「デジタル診断機器と連携することで迅速かつ正確な治療が可能になり、治療時間が短縮、患者様の負担軽減につながる」と、デジタル連携による業務効率化を評価する声もあります[36]。実際に画像診断やCAD/CAMとの連動を活用することで、説明~治療までの一連の流れがスピーディになったとのことです。
また仙台市の別の歯科医院では、「人間工学に基づいた高いクッション性で長時間治療の疲れを軽減している」としつつ、マイクロスコープや3DCTと組み合わせて専門的治療に備えた環境を整えられる点にも触れています[37]。さらに「感染予防を保証する水清浄システムを装備し、欧州の厳格な衛生基準を満たしている」と、衛生面での安心感を挙げる声もあります[24]。総じてユーザーのフィードバックを見ると、「術者にとって使いやすく、患者にとって負担が少ない理想的なユニット」との評価が多く聞かれます[38]。価格の高さゆえ導入に踏み切る医院は限られますが、導入先ではその投資に見合う満足感が得られている印象です。「世界最高水準のユニットを導入した」とアピールする医院もあるように[39]、Axanoはクリニックの先進性を示す一種のステータスともなっているようです。
3. 類似製品との違い・優位性
高級デンタルユニット市場において、Axanoは競合各社のハイエンド機種と肩を並べる存在です。その中でAxanoならではの特徴を整理すると、以下のような優位点が挙げられます。
デジタル統合の先進性: KaVo社のESTETICA E70/E80 VisionやPlanmeca社のSovereignシリーズなど競合機もタッチディスプレイや一部デジタル機能を備えていますが[40][41]、Axanoは10インチ超の大型マルチタッチパネルと高度に統合されたエンド・インプラント機能を持ち、よりシームレスなデジタルワークフローを実現しています[14][17]。例えばSmart Touch上で直接口腔内画像に書き込みができる機能や、ファイル進行状況・インプラント埋入トルクを逐一可視化できるインターフェースはAxano独自の強みです[21][17]。競合製品にもエンドモーターや手術用モーターの統合オプションはありますが[41]、ライブラリ形式で多数のファイル・インプラントシステムを内蔵しアップデート可能な点や、操作体系の統一感はAxanoが一歩リードしています。
操作インターフェースと人間工学: Morita社の「Spaceline」や「Signo T500」などは人間工学に基づく優れたユニット設計で知られ、特にSigno T500はポルシェデザインスタジオによる洗練された外観と低い最低位(チェア最低高350mm)で患者の乗降性を高める工夫を持ちます[42]。一方Axanoは可動式のSmart Deliveryアームによる柔軟なトレイ配置や術者立位にも対応できる高さ自動調節といった独自のアプローチで、1人治療・チーム治療を問わず快適なポジショニングを提供します[9][43]。またAxanoのコードレスフットペダルは競合他社では有線式が主流である中、診療室内を煩雑なケーブルから解放し、自由な足元動作を可能にしています[8]。細部では器具ホルダーの互い違い配置による器具の取り回しやすさ[18]、アシスタントユニットの極力スリムな設計[44]など、歯科医・歯科助手の動きやすさを追求した設計もAxanoの強みです。総じてモダンで直感的なUIとエルゴノミクスの融合という点で、Axanoは競合に対して先進的なユーザーエクスペリエンスを提供します。
患者快適性と空間演出: 多くのハイエンドユニットが快適性を追求していますが、AxanoはAmbient Light(間接照明)による空間演出を搭載している点がユニークです[3]。チェア周囲を彩るやわらかな照明は、診療空間をリラックスできる雰囲気に整えます。他社でも診療チェアのカラーバリエーションや高級感あるシート素材(例えばMoritaやBelmontの本革シートなど)で患者の居心地に配慮していますが、できるAxanoは差別化要素となっています。さらにAmbient Lightはといった実用面もあり、クリニックの衛生意識を患者に可視化する工夫ともなっています。
メーカーエコシステムとの親和性: Planmeca社は画像診断からCAD/CAMまで自社ソフト「Romexis」で統合し、自社ユニットとの連携を強みにしています。またKaVo社(現在はPlanmecaグループ傘下)も長年培った信頼性と幅広い機器展開があります。それに対しDentsply Sironaは、インプラント体からCAD/CAM(CEREC)、マテリアルに至る包括的製品群を持ち、Axanoはそれらと連携しやすいプラットフォームです。例えばCEREC Primescanで取得したデータをチェアサイドで即座に参照したり、同社インプラント(アストラテックなど)の埋入プロトコルをAxanoに反映させるなど、同社製品で揃えることでシナジーが生まれる設計と言えます。これは特定メーカーでデジタル歯科を統一展開したい医院には大きなメリットです。他方、すでに他社製のスキャナーやCTを導入済みの場合でも、映像入力をモニター表示したり基本的な連携は可能なので、Axanoだけが閉じた系統ということはありません。しかし真価を発揮するのはDentsply Sirona製品との組み合わせであり、メーカー横断的なシステム統合性よりも、自社エコシステム内最適化を重視する思想と言えるでしょう。
このようにAxanoは各社ハイエンド機種の長所を取り込みつつ、最新技術による洗練度で一歩リードしている点が優位性です。ただし価格帯やサービス体制も含め総合的に考える必要があります。例えばMoritaやタカラベルモントの国産ユニットは国内サポートの手厚さやパーツ入手の容易さで強みがあり、PlanmecaやKaVoは海外ブランドながら導入実績が豊富で堅実な性能を持ちます。Axanoは登場して日の浅い新鋭ゆえこれから実績を積む部分もありますが、少なくとも現時点で搭載されている機能群は競合比で極めて充実しており、先進性と総合力でトップクラスと言えるでしょう。
4. この製品が向いているユーザー像
Axanoの導入が特に適しているのは、デジタル化と高度医療に積極的に取り組む歯科医院です。具体的には以下のようなユーザー像が考えられます。
包括的な先進治療を提供するクリニック: 一般歯科診療に加え、インプラント外科やマイクロスコープを用いた精密歯科治療、歯内療法専門治療など幅広く提供する医院にとって、Axanoのオールインワン機能は大きな武器となります。別々の機器を用意せずともユニット一台で多彩な処置に対応できるため、「ワンストップ治療」を標榜する先進的クリニックにマッチします。
デジタルデンティストリー重視の医院: 院内で3Dスキャナー(口腔内スキャナー)やCAD/CAMシステム、3Dエックス線などを活用している場合、Axanoはそれらとの接続ハブとして機能し、チェアサイドでデータを活かした診療を可能にします。ゆえに最新デジタル技術を売りにする医院、ITリテラシーの高いドクターに向いています。例えば即日補綴ワークフロー(スキャン~設計~装着)を患者の隣で進めたいようなケースでは、チェアの存在感がそのまま医院の先進性アピールになります。
患者体験を重視する高級志向の医院: Axanoは快適性やデザイン性にも優れるため、自費診療中心で患者サービスにこだわるクリニックとも相性が良いです。座り心地の良いチェアや洗練された照明演出により、患者に「ここで治療を受けたい」と感じさせるホスピタリティ空間を提供できます。インテリアやユニフォームにも凝るようなブランディング重視の医院では、クリニックのフラッグシップとしてのユニットとなるでしょう。
歯科医師自身が高度な技術研鑽を志向する場合: Axanoの洗練された操作環境は、術者のスキルを最大限発揮させる手助けとなります。長時間の難症例オペでも術者の負担を軽減し、高精度機器のサポートで精密診療をサポートします。したがって「自分の理想の治療環境を作りたい」という開業医にも向いています。特に若手でデジタル世代のドクターには、タブレット感覚のUIやスマート機能は受け入れやすく、機器操作ストレス無く診療に集中したい人に適しています。
反面、保険診療メインでコスト重視の医院や、シンプルな機能で十分な小規模医院にはオーバースペックかもしれません。Axanoは高機能ゆえ日常的に使いこなしてこそ価値が出るため、導入には自院の治療スタイルや将来像とのマッチングを十分検討すべきでしょう。総じて、「最新鋭の設備で質の高い歯科医療を提供したい」という明確なビジョンを持つユーザーにこそ、Axanoは応えてくれる製品だと言えます。
5. 導入時の注意点(事前準備・インフラ要件・導入コストなど)
Axano導入にあたっては、その大型ユニットならではの設置条件や準備についても考慮が必要です。
◇レイアウト・空間の確保: Axanoはドクター用・アシスタント用ユニット、ライト、モニターなどを含めたフルセットで設置する場合、診療室内である程度のスペースを要します。メーカー指定のユニット設置寸法や回転半径を確認し、ユニット周囲に充分な作業スペースを確保できるようレイアウトを検討しましょう。個室診療室に導入するケースでは、ユニットのサイズ感(患者足元やライトの高さなど)が圧迫感を与えないか事前にシミュレーションすることを推奨します。必要に応じてメーカーや販売店が提供するレイアウト図作成サービスを利用し、ユニット据付位置や配管位置を最適化すると安心です。
◇床・配管工事と電源: 治療ユニット導入には、給排水管・圧縮空気配管・吸引配管・電源配線などの工事が伴います。Axanoの場合、既存ユニットからの入れ替えであれば既存インフラを流用できる場合もありますが、最新の衛生システム対応で追加のフィルターやタンク設置が必要なこともあります。例えば給水クオリティ(水質)にこだわるなら、院内の給水にフィルターや軟水装置を組み込むことも有効でしょう。またユニット本体と周辺機器の消費電力を踏まえ、十分な電源容量とコンセント位置の確保も重要です。特にモニターやPCを併設する場合は情報機器用電源も必要になります。床固定型ユニットのため、床強度(荷重)も確認ポイントです。古い建物や2階以上の設置では床補強が必要になるケースもあるため、事前に施工担当者と相談しておきます。
◇ネットワーク環境: デジタル機能を活かすには院内ネットワーク環境の整備も欠かせません。チェアサイドで画像データを表示するには、撮影用PCやサーバとAxanoのモニター/タッチパネルを繋ぐ必要があります。具体的にはDentsply Sironaの画像管理ソフト(Sidexisなど)をインストールしたPCをユニット近くに設置し、HDMIケーブルやLANケーブル経由でモニターに信号を送る構成が考えられます。Wi-Fi経由のデータ転送も可能ですが、映像の安定性を考えると有線接続が望ましいでしょう。将来的にクラウド連携(DS Coreなど)を利用するならインターネット回線の速度・セキュリティ面にも配慮が必要です。要は、ユニット導入を機に院内のITインフラ全体を見直すくらいの意気込みで準備すると、後々の運用がスムーズになります。
◇導入コストとランニングコスト: 前述のとおりAxano本体は高額ですが、見積もり時にはそれ以外に付帯費用も考慮しましょう。例えば設置工事費用(ユニット搬入・据付・配線工事)、付属品費用(ハンドピース類、オプション機器類)、古いユニットの撤去費などが発生します。さらに導入後の保守契約についても事前に確認が必要です。メーカー保証は通常1~2年程度ですが、それ以降は定期点検契約を結ぶことで故障リスクに備えることが推奨されます。高価なユニットだけに、故障時のパーツ代や出張費も高額になりがちです。販売店と保守内容(年次点検項目、緊急対応の範囲など)を擦り合わせ、適切なプランを選択しましょう。また消耗品としては給水ライン清浄剤や光ファイバーライトのランプ類、フットペダルのバッテリーなどが定期交換対象になるため、そのコストも把握しておくと安心です。
◇スタッフトレーニング: Axanoは高機能ゆえ、スタッフ全員がその操作方法や機能を熟知するまで時間がかかる場合があります。導入時にはメーカーの操作説明・講習を受け、日常使う機能から順次マスターしていくことが大切です。特にタッチパネルのカスタマイズや滅菌システムの使い方、フットペダルの多機能操作などは、最初にしっかり習得しましょう。院内で操作マニュアルを共有したり、しばらくはメーカー担当者に問い合わせできる体制を整えておくと安心です。高度なユニットほど「宝の持ち腐れ」にならないよう、人も設備もチューニングしていく姿勢が求められます。
以上のように、Axano導入には通常のユニット以上に周到な準備と検討が必要ですが、その分運用が軌道に乗れば計り知れない診療効率・品質の向上が期待できます。クリニックの将来ビジョンと照らし合わせ、必要な準備を一つ一つクリアしていくことが、Axano導入成功のカギとなるでしょう。
[1][3] デンツプライシロナ株式会社 | 診療用設備 | 出展企業リスト&検索 | 第46回 中部日本デンタルショー | 東海歯科用品商協同組合
[2][49] Axano(アクサーノ) | 九州デンタルショー2023
[6][19][48] New treatment centre for smart, digital dentistry | British Dental Journal
[11][28][35][36][38] 新しく診療チェア「Axano」を導入しました | その他 | スタッフブログ | 名古屋駅・名駅から徒歩3分の歯科・歯医者 インプラント・マウスピース矯正なら みやかわデンタルクリニック
[29] [PDF] Dentsply Sirona - Treatment Centers
[30] Dentsply Sirona – ドイツ – ヘルスケア - Wibu-Systems
[39] 医院案内「医院の設備紹介」 - 押上ファースト歯科
[40] KaVo ESTETICA E70/E80 Vision treatment units
[41] [PDF] Get in touch with your vision. - Henry Schein
[46] Axano Dental Chair | Dentsply Sirona North Macedonia
光による演出で診療コンセプトを表現
グリーン点灯で衛生プロセス稼働中であることを示す