iTero Element 5D
iTero Element 5D インビザライン・ジャパン合同会社
評価なし
1. 製品概要(用途・特徴・製品種別・臨床シーン) iTero Element 5D(アイテロ・エレメント5D) は、アライン・テクノロジー社(インビザライン・ジャパン)が2019年末に発売した最新世代の口腔内3Dスキャナーです[1] 。従来の歯型採取に用いるシリコン印象材の代わりに、口腔内をカメラで高速撮影し、その場で高精度なデジタル歯型(3Dモデル) を作成します[2] [3] 。従来モデル(iTero Element 2など)より処理速度が大幅に向上しており、短時間で精密なスキャンが可能です 。さらにカラーカメラと近赤外線画像技術( )を搭載したハイブリッド・イメージングシステムとなっており、 できます 。これにより、通常のレントゲンでは発見しづらい歯間部の初期虫歯も被ばくなしに可視化できるのが大きな特徴です 。またスキャナー本体はタッチパネル式の操作画面を備え、直感的な操作が可能な のほか、ノートPCと接続して使用する もラインナップされています 。
NIRI
1回のスキャンで3D模型データ・口腔内カラー写真・近赤外線画像を同時取得
カート型ユニット
モバイル(ラップトップ)タイプ
臨床では幅広い用途で活用できます。マウスピース矯正(インビザライン等) では必須ともいえる機器で、精密な3D歯型データにより適合精度の高いアライナー装置を作製でき、治療開始前に歯の動きや最終ゴールをシミュレーションすることも可能です[7] 。また、取得したデータはクラウド経由でインビザライン用ソフト「ClinCheck(クリンチェック)」に送信され、即座に矯正治療計画の立案に活かせます[7] 。矯正以外にもクラウン・ブリッジ等の補綴治療、インプラント治療 における光学印象採得装置として利用でき、精密なデジタル印象から高精度な補綴物を作製することが可能です[8] 。さらにNIRIによる虫歯のスクリーニング や、咬合チェック機能による噛み合わせの可視化 、口腔内写真撮影など、診断・モニタリングツール としての役割も果たします[9] 。このようにiTero Element 5Dは、矯正歯科から修復治療、予防・検診まで 幅広い臨床シーンで活躍する多機能な口腔内スキャナーです。
iTero Element 5Dで取得した3Dスキャンデータを用い、矯正治療のシミュレーション結果をその場で患者と共有できます [7] 。この視覚的な説明により、患者は治療ゴールを直感的に理解できるようになります。
2. 評価軸に基づくレビュー
操作性 スキャン速度 が速く操作は非常にスムーズです。最新モデルの「5Dプラス」では従来機より約20%高速化されており、フルマウス(全顎)のスキャンを約3分程度 で完了できます[10] 。撮影中はリアルタイムで3Dモデルが画面に表示され、取り残しや誤差があれば即座に追加スキャンできるため、従来のように型取り失敗で再来院してもらう必要もありません[11] 。スキャナー先端は発熱を抑えた防曇機能付きで、適宜エアーを出しながら撮影しますが、このエアーにより長時間のスキャンでは口腔内が乾燥しやすいという指摘もあります[12] (※短時間で完了する通常のケースでは大きな問題になりません)。
ユーザーインターフェース も洗練されています。大型タッチパネル画面上で直感的に操作できるため、撮影からデータ送信・シミュレーションまで一連の作業がスムーズです[13] 。たとえば、スキャン直後に画面上で患者さんに現在の歯並びを3D表示し、治療シミュレーション結果を見せるといったプレゼンテーションもワンタッチで行えます[7] 。撮影ワンド(ハンドピース)はケーブル接続式ですが、5Dプラス モバイル では内蔵バッテリーにより院内をケーブルを気にせず移動できるなど機動性も向上しました(満充電で約30分間のスキャンが可能)[14] 。ワンド先端のチップは使い捨てカバーやオートクレーブ滅菌対応で衛生管理も容易です(※具体的な運用はメーカー推奨に従います)。
患者への負担 も小さく抑えられています。従来のシリコン印象とは異なり、嘔吐反射を誘発することなく快適に歯型を採取できる点は大きな利点です[11] 。iTero 5D登場以前の旧型スキャナーはヘッド部分がやや大きく口腔内で当たりやすい欠点がありましたが、5Dおよび5Dプラスでは先端ヘッドがコンパクト化 され患者の口に当たって傷つけるリスクが低減されています[15] 。実際の臨床現場でも「スキャナ先端が小さくなり、口の奥まで挿入しても痛みや不快感が少ない 」との評価が聞かれ、患者さんにも安心してスキャンを受けていただけます。
iTero Element 5Dプラスによるスキャン操作の様子。従来モデルよりスキャンヘッドが小型化され、口腔内の奥でも当たりにくく患者の負担が軽減されています [15] 。高速スキャンと相まって短時間で快適に型取りが行えます。
症例適応 マウスピース矯正(インビザライン) との親和性は抜群です。iTeroでスキャンしたデータはクラウド経由でInvisalignシステムに直結し、わずか数分で患者ごとの3D治療計画(ClinCheckシミュレーション)を作成できます[7] 。その場で患者に歯列の変化や最終ゴールを可視化して共有できるため、治療内容の理解を深めたりモチベーション向上にもつながります。またiTero上で「プログレスアセスメント」 と呼ばれる経過比較機能を使えば、アライナー交換ごとの歯の移動量をデジタルに計測し、計画通り歯が動いているかを確認することも可能です[16] 。このように矯正領域では診断から治療後管理までフル活用できるため、インビザライン専用機 と称されるほど多くの矯正歯科医院で導入が進んでいます。実際、日本国内ではインビザライン治療を行うにはiTeroが事実上必須となっており、他社スキャナー(TRIOSなど)では症例提出ができない状況です[17] 。矯正以外でも、取得データをSTL形式などでエクスポートすることで歯科技工所と連携 し、クラウン・ブリッジ・インプラント上部構造など各種補綴装置の設計・制作に活用できます[8] 。特に高精度なスキャンデータによって適合精度の高い補綴物が得られる点は、補綴治療における大きなメリットです[8] 。加えて、NIRI機能による虫歯の早期発見・診断補助 や、咬合接触の可視化 、経時的な口腔内の変化モニタリング (定期検診時に以前のデータと比較する等)など、予防歯科や包括診断ツールとしての応用範囲も広がっています[9] 。総じてiTero 5Dは、「矯正歯科から一般歯科まで ワークフローをデジタル化したい」と考える医院にとって、あらゆる症例で活躍しうる汎用性の高いスキャナーと言えるでしょう。
連携性 データ連携の柔軟性 という点でもiTero 5Dは優れています。最大の強みはインビザライン・システムとのシームレスな統合 で、スキャン後ワンクリックでクラウド経由の症例送信からClinCheckでの治療計画作成まで一貫して行えます[7] 。これは他社スキャナーには真似できない強力な連携機能であり、国内では前述のようにiTero以外から直接インビザライン症例登録を行うことはできません[17] 。一方で、補綴モードで取得したスキャンデータは標準的なSTL/OBJ形式にエクスポート可能 なため、院内ラボや外部の歯科技工所での設計・CAD/CAM加工にも活用できます。実際、アライン社はCADソフト大手のexocad社を傘下に収めており、iTeroスキャンからexocadで補綴設計を行うワークフローも構築されています(口腔スキャナーとしてのオープン性も確保)。また他社との提携も進めており、例えばデンツプライシロナ社のミリングマシンや3Dプリンタとデータ連携して即日補綴(ワンデー治療) を実現するといったソリューションも登場しています[18] 。加えて、患者さん向けのクラウドサービス (「My Invisalign」アプリ等)との連携により、スキャンデータや治療計画をオンライン共有して術後フォローに活かすといった取り組みも可能です[19] 。総じてiTero 5Dは自社プラットフォームの強みを活かしつつ汎用性も兼ね備えた連携性 を持ち、デジタル歯科医療のハブとなる存在です。
価格帯・コスト 導入コスト は同クラス製品と比べても高額な部類です。iTero Element 5Dシリーズの標準価格はカートタイプで約635〜666万円(税込約700万円強)、モバイル(ラップトップ)タイプで約583万円からとアナウンスされています[20] 。さらにソフトウェア利用料を兼ねたライセンス費用 が設定されており、購入後1年間の補綴・矯正モード利用料が含まれるものの、13か月目以降は月額約4万円のライセンス料が必要です[21] 。このライセンス契約により、ソフトウェアのアップデートやクラウドサービス、保証サポート等が提供される仕組みです。初年度以降も維持費がかかる点は留意が必要ですが、逆に言えば常に最新ソフトウェアやサポートを受けながら長期間運用できるメリットとも言えます。交換用チップやキャリブレーション(校正)も適宜必要ですが、こちらも保守プランに含まれる場合があります。なお国内販売はインビザライン・ジャパン社および正規代理店(モリタ等) を通じて行われており、導入時にはトレーニングや初年度ライセンス込みのパッケージ提案が一般的です。リース契約を利用して月々の支払い負担を平準化する医院も多く見られます。総合的に見て初期投資は大きいものの、矯正・補綴の収益向上や作業効率化による費用対効果(ROI) は十分期待できる機器と言えるでしょう。
一方、他社の口腔内スキャナーとコスト面を比較すると興味深い差があります。代表的競合機種である3Shape社のTRIOS 5 はワイヤレス運用が可能な先進モデルですが、本体価格はオプションにもよりますが概ね400〜500万円台とされ、iTeroと同程度かやや安価です(※ただし3Shape社の場合、ソフト更新やサービスに年額プランが別途必要な場合があります)。また、近年シェアを伸ばしているMedit社 i700 は定価約250万円[22] と圧倒的な低価格を実現しており、ランニングコストも事実上ゼロ(ライセンス料不要)である点が大きな強みです。その分、iTeroのような公式サポート網や専用クラウドサービスは限定的ですが、ユーザーコミュニティ主体でソフトウェア改良が頻繁に行われるなど低コスト機ならではのメリットもあります。総じて、iTeroはハイエンド機として相応の投資を伴うため、「コストに見合う活用ができるか 」が導入判断のポイントになります[23] 。裏を返せば、デジタル化による業務効率アップや患者増に積極的に取り組み、その恩恵を最大限引き出せる医院にとっては、十分元が取れる投資と言えるでしょう。
品質・耐久性 製品クオリティ の面でもiTero 5Dは信頼性の高い機器です。堅牢なカート型筐体と安定したスキャンソフトウェアにより、日常的な酷使にも耐えうる耐久性があります。実際、世界中の歯科医院で数千台規模で稼働している実績があり、ハード不良や精度劣化のトラブルは稀です。5Dプラスではプロセッサ性能の向上や画面輝度アップが図られ、スキャン画像がより鮮明で細部までシャープに表示できるよう改良されています[24] 。またワイヤレススキャナーによく見られるバッテリー劣化の心配も、iTero(有線タイプ)では無縁です。とはいえ電子機器である以上、長期使用では故障リスクもゼロではありません。万一トラブルが発生した場合でも、国内のサポート窓口や技術スタッフによる迅速なメンテナンス対応が受けられる体制が整っており、部品交換などで復旧できるケースがほとんどです。総じてiTero 5Dシリーズは大型機らしい安定感と信頼性 を備えており、適切に校正・メンテしながら使えば長期間にわたり精度を維持して活用できるでしょう。各種精度検証の研究においても、iTeroのスキャン精度は他社ハイエンド機と同等レベルであり、日常臨床で要求される十分な精密さを満たしていると報告されています(※一部の比較研究では3Shape TRIOSが若干高精度とのデータもありますが、臨床上大差ない範囲です[25] )。このように、品質・精度面で安心して導入できることもiTeroの大きな魅力です。
ユーザーの声 実際にiTero 5Dを導入した歯科医師からは好意的な評価 が多く聞かれます。特にインビザライン認定医の間では「これ無しには矯正治療の効率化は考えられない」と言われるほどで、あるユーザーは「診断用ツールとしてのiTero 5Dの機能は捨てがたい 」とその有用性を語っています[26] 。近赤外線でう蝕を可視化できる点についても、「患者さんへの説明に説得力が増した」「レントゲンを嫌がる方にも安心して検査できる」といった声が聞かれます。操作性に関しても、「スキャン時間が短く患者もスタッフもストレスが減った」「タッチパネルで扱いやすい」と評判です。一方でコスト面 に言及する意見もあり、「初期費用が高くハードルだが、それだけの価値はある」「ランニングコストを含め採算が合うか検討が必要」といった現実的な声もあります[23] 。総じてユーザーの声から浮かぶのは、「価格相応の機能とメリットを実感している 」という評価です。導入前は費用対効果を不安視していたクリニックでも、実際に使い始めると「もっと早く導入すれば良かった」という意見に変わるケースが少なくありません。患者からの反応も良好で、「型取りが楽だった」「その場で自分の歯並びや虫歯を3D画像で見せてもらえて驚いた」といったポジティブなフィードバックが多いようです。ユーザーからは今後の要望として「更なる機器の小型・軽量化」や「保守費用の低減」を望む声もありますが、総合的には満足度の高い製品 であることが伺えます。
3. 類似製品との違い・優位性 iTero Element 5Dを語る上で、競合の口腔内スキャナーとの比較 は欠かせません。代表的な類似製品として、デンマーク3Shape社の「TRIOS 5」 および韓国Medit社の「i700」 を例に、その違いと優位性を整理します。
3Shape TRIOS 5 (トリオス5)との比較: TRIOSシリーズは口腔内スキャナー市場をリードしてきた実績があり、最新のTRIOS 5は完全ワイヤレス駆動 や優れたエルゴノミクスデザインで高評価を得ています[27] 。重量わずか約299g(バッテリー含む)と非常に軽量で、長時間使用しても手が疲れにくいバランス設計が特徴です[28] 。一方のiTero 5Dは有線&カートベースですが、高性能プロセッサと冷却機構を搭載し連続使用による発熱やバッテリー切れの心配がない安定動作 が強みです。またTRIOS 5は従来機比で飛躍的にスキャンアルゴリズムが進化し、多少ラフに振っても自動でデータを補完する「ScanAssist」機能により操作性とスキャン成功率が高い ことが報告されています[29] 。iTeroもAI補正機能を備えていますが、現時点ではスキャンアシスト技術においてTRIOSが一歩先行する印象です。精度面では両者ともトップクラスであり差は僅少ですが、一部研究ではTRIOSの方が歯のない顎堤(無歯顎)のスキャン適応に優れる といった報告もあります[30] 。一方、iTero 5D最大の差別化ポイントはNIRI(近赤外線)による虫歯検知機能 です[31] 。TRIOS 4には表面う蝕検知用の蛍光モードが搭載されましたが、TRIOS 5では簡素化されており、隣接面の内部齲蝕まで可視化できるNIRI機能は依然iTeroのみが提供するユニークな価値です[31] 。さらにソフトウェア面では、iTeroはアライン社のプラットフォーム上でインビザラインとのシームレス連携 を持つ点が大きなアドバンテージです[17] (前述の通り、日本国内ではTRIOSからインビザライン症例提出はできません)。一方TRIOSはオープンなデータエクスポートと3Shape社の豊富なCAD/CAMエコシステム(ラボ用ソフトや患者モニタリングアプリなど)を強みに、補綴分野や研究用途での柔軟性 に優れます[32] 。価格面では両機ともハイエンド帯ですが、基本構成でiTeroの方が高価 であり、TRIOSには廉価版(機能限定の「TRIOS Core」)も存在して導入ハードルを下げています[33] [34] 。総じて、矯正・診断機能を重視するならiTero、機器の軽量性やオープン連携を重視するならTRIOS といった棲み分けになっているのが現状です。
Medit i700 との比較: Medit i700シリーズは近年急速に普及しているコストパフォーマンス重視 の口腔内スキャナーです。最大の特徴はその価格で、iTeroやTRIOSが500〜700万円クラスであるのに対し、Medit i700は定価で約250万円と桁違いに安価です[22] (保守費用や更新料も原則不要)。にもかかわらずスキャン性能は高く、1秒間に70フレームの高速撮影でスムーズなスキャン体験を実現しており、高額機種に迫る十分な精度が得られるとの評価があります[35] [36] 。本体サイズも小型軽量(約245g)で、ケーブル1本でノートPCに繋ぐシンプルな構成は扱いやすさにつながっています[37] 。一方でiTeroと比較すると、専門サポート体制や専用ソフトの充実度では見劣り します。例えばiTeroがクラウド上で過去データ管理や治療シミュレーションを提供するのに対し、Meditは取得データを自身で管理し、必要に応じてサードパーティ製ソフトと組み合わせる運用が基本です[38] 。またインビザラインとの公式連携もないため、Meditでスキャンしてインビザライン治療を行う場合は一度STLデータに出力し、物理モデル作製かもしくはAlign社にデータアップロードする間接的な手順が必要です(煩雑さや保証の点で劣ります)。とはいえ、補綴治療主体であればMedit i700でも十分目的は果たせるため、「 」という層には強くアピールしています 。iTeroのような統合システムと比べ簡素ではありますが、そのぶん 点は見逃せません。要するに、 と言えます。
4. 向いているユーザー像 上記の特徴を踏まえると、iTero Element 5Dは以下のようなユーザー層・医院 に特に適していると考えられます。
インビザライン症例を多く扱う矯正歯科医院 : デジタルスキャン~ClinCheck連携~治療モニタリングまでインビザライン治療の効率と精度を飛躍的に高められるため、必須ツールと言っても過言ではありません[17] 。年間症例数が多い大型矯正専門クリニックほど投資回収も早く、患者説明ツールとしての価値も大きくなります。
デジタル補綴やCAD/CAMを推進する一般歯科医院 : 保険外補綴やインプラント治療で質の高いデジタル印象を取り入れたい医院にも向いています。精密スキャンによる補綴物の適合向上や、印象材不要による患者負担軽減[11] は自費診療の付加価値になります。ただ補綴だけが目的なら他の安価なスキャナーでも代用可能なため、矯正と補綴の両方 でデジタル活用したい医院ほどiTero導入のメリットが高まります。
先進技術をアピールしたい医院 : iTeroを設置していること自体が「最新設備による快適な治療」を患者に印象付けられるため、地域で差別化したい歯科医院にも適しています。実際、「当院はiTero完備」をアピールポイントとして打ち出す医院も増えています[40] 。特に都市部の審美歯科や矯正歯科で、デジタルデンティストリーの先進性をマーケティングに活用したいケースにマッチします。
技術研鑽に意欲的な歯科医師・歯科技工士 : デジタル機器への投資を厭わず、最新ワークフローを積極的に取り入れるタイプのユーザーにも向きます。iTero導入により院内スタッフのデジタルスキル向上や、新しい診療メニュー(例えば光学印象を活かした予防プログラム等)の開発にもつながります。将来的な医院規模拡大や多院展開 を見据えて、デジタルデータの一元管理や共有を進めたいケースにも有用でしょう。
逆に、初期費用を最小限に抑えたい場合やインビザライン等を扱う予定がない場合は、他社の安価なスキャナーでまずデジタル化を始める選択肢もあります[39] 。iTero 5Dは高度な機能と引き換えにコストも高いため、「自院の診療コンセプトや規模に見合った投資か 」を見極めることが大切です。総じて、デジタル歯科医療への強いコミットメントがあり、その恩恵を最大限享受しようとする医院 こそが、iTero Element 5Dの真価を発揮できるユーザー像と言えるでしょう。
5. 導入時の注意点 最後に、iTero Element 5Dを導入する際の注意点や準備事項 を整理します。
前提知識・トレーニング : 高度なデジタル機器ゆえ、導入にあたってはメーカーや販売代理店による操作説明・トレーニングを受けることが推奨されます。スキャナーの基本的な使い方だけでなく、インビザライン連携やデータ管理の方法も習熟が必要です。特にスタッフ(歯科衛生士や歯科技工士)にも操作を任せる場合、十分な教育期間を設けましょう[41] 。導入初期はスキャンに時間がかかったり戸惑う場面もありますが、症例を重ねるごとに上達し、生産性向上に寄与します。
導入コスト・ランニングコスト : 前述の通り、本体価格が数百万円規模であるうえ月額ライセンス費用も発生します[20] 。そのため事前に資金計画を立て、リースやローンを含めた支払いプランを検討しておくことが重要です。加えて、数年ごとの保証延長やソフト更新費用も見込んでおきます。経営面では、デジタル化による増収効果(例:矯正患者の増加、補綴物の品質向上によるリメイク減少など)を試算し、ROI(投資対効果) を経営計画に組み込むと安心です。
院内環境の整備 : iTero本体はカートタイプの場合ある程度の設置スペース が必要です。診療ユニット間を移動させて使う場合は通路の段差解消や十分な通路幅の確保、エレベーター搬入経路の確認(他フロアで使用する場合)もしておきましょう。モバイルタイプの場合は高性能なノートPCとUSB接続する形になるため、PCのスペック要件(グラフィック性能やメモリ容量など)を満たす機種を用意する必要があります。また高速なインターネット回線も必須です。スキャンデータはクラウドに保存・送信されるため、院内ネットワーク環境を整備し、通信障害時のバックアップ策(モバイルルーター等)も検討しておくと安全です。
他システムとのソフト連携 : iTero導入後は従来のアナログ模型に代わりデジタルデータで業務が進みます。歯科技工所と提携する場合は、先方がiTeroのデータ受け入れ体制(デジタルデータ対応CADソフトの有無など)を整えているか確認しましょう。必要に応じてSTLデータを出力し共有する手順を定めます。また院内の他機器(例えば3Dプリンターやミリングマシン)と連携させる場合、データ形式の互換性やソフト間のワークフローを事前にテストしておくとスムーズです。
患者への周知と活用 : 新しい機器を導入した際は、患者さんへのアピールも重要です。待合室や公式サイトでiTero導入を告知し、「うちでは最新のデジタル技術で精密かつ快適な治療 が受けられます」と周知しましょう[42] 。実際の診療でも、スキャン中や説明時にモニターを見せながら「ここに小さな虫歯が映っています」「噛み合わせの当たり具合はこの色の部分です」といった具合に、デジタルならではの可視化情報を積極的に伝えると効果的です。患者の理解度・満足度が上がり、医院の信頼性向上にもつながります。
以上、iTero Element 5Dの深掘りレビューをお届けしました。日本国内ではデンタルDX(デジタルトランスフォーメーション)が加速する中、本製品はその中核を担う存在です。高性能ゆえのコストや運用上のポイントもありますが、それを上回る臨床メリットが得られることは多くのユーザーの声が物語っています。[43] デジタル技術を駆使して患者体験の向上と医院の発展を目指す歯科医師・歯科技工士にとって、iTero Element 5Dは強力なパートナーとなるでしょう。
参考文献・情報源 : 本稿はメーカー公式発表、国内歯科クリニックの導入事例、ユーザーレビュー等[1] [3] [20] [44] [17] を参照し作成しました。各種データやユーザーの声は信頼できる情報源に基づいており、2025年現在の最新情報を反映しています。
[3] [7] [11] 松戸市でiTeroエレメント5D (口腔内スキャナー)による気持ち悪くない歯型取りは秋山矯正歯科
[4] 口腔内スキャナーiTero element 5Dの新しい機能・・近赤外線画像 ...
[5] [8] [9] iTero Element 5Dプラス(口腔内スキャナー)について|いせき歯科クリニック|JR丹波口駅から徒歩1分の歯科医院
[12] iTero(アイテロ)のデメリット - 船橋市 - ふかや矯正歯科
[14] [PDF] iTero Element 5D 使用者手冊 - AWS
[18] iteroに新製品!スキャン範囲が3倍!インビザライン・ジャパン
[19] [24] 歯科医療のデジタル革命を推進 | インビザライン・ジャパン合同会社のプレスリリース
[23] インビザライン矯正で使用するiTero(アイテロ)とは?メリット ...
[25] Comparison of Accuracy of Current Ten Intraoral Scanners - PubMed
[26] [41][43] 〖口腔内スキャナー比較動画〗第3弾 〜アライン・テクノロジー・ジャパン iTeroエレメント5D〜 レビュー | Doctorbook academy (ドクターブックアカデミー)
[35] [36] 【2025年最新】口腔内スキャナー5機種を徹底比較!導入メリットは?
[40][42] インビザライン矯正で使用するiTeroとは?メリット・デメリットを ...
最低限デジタル印象を導入したい
初期投資リスクが低い
Medit i700は低コストでデジタル化を始めたい医院に適し、iTero 5Dは投資に見合う高度な機能とサポートを求める医院に向いている