
リアルクラウン色見本
株式会社松風
■ リアルクラウン色見本(松風)
【1.
製品概要】リアルクラウン色見本は、歯科用人工歯「松風リアルクラウン前歯」および「バイオエースレジン歯」に対応したシェードガイド(色見本)です[1]。用途は総義歯や局部義歯の製作時に、患者の希望や残存歯の色調に合った人工歯色を選択するために使用されます[2]。製品種別としてはレジン人工歯用の物理的な色見本セットであり、3色(#55、#56、#58)のレジン歯サンプルが1組にまとめられています[1]。リアルクラウン人工歯自体は慣れ親しんだ歯牙形態の排列しやすいレジン歯であり、形態・色調とも天然歯に近く、硬さ・耐摩耗性に優れることが特徴です[3][4]。臨床では、保険適用のレジン人工歯として日常的な義歯治療シーンで使われるほか、部分床義歯で残存歯に調和する歯色選択にも用いられます。松風リアルクラウン前歯の色調バリエーションはA2、A3、A3.5のVita系色調と、#55、#56、#58の計6色があり[5]、この色見本セットによりそのうち後者3色を直接比較できます。
【2. 評価軸レビュー】
- 操作性(使いやすさ):
リアルクラウン色見本は3色のみで構成されており、コンパクトで扱いやすい点が利点です[1]。少数のシェードから選ぶため迷いにくく、患者と相談しながら短時間で色決定が可能です。シェード片には実際のリアルクラウン人工歯のレジンが用いられているため、クリニックの照明下でも最終的な人工歯に近い色調で比較できます。またと紹介される通り、シンプルな構成で直感的に使えるとの評価があります。一方で対応色が限定的であるため、微妙な中間色やより明るい色調(例:
A1やB2など)が必要なケースでは他のシェードガイド併用が必要になる点は留意すべきです。
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保険診療で用いられる標準的なレジン人工歯として、主に中高年の総義歯・部分義歯症例での使用に適しています。リアルクラウン前歯の色調6色は日本人の口腔になじみやすい中間~やや濃色域をカバーしており、一般的な高齢患者の歯科補綴ではほとんどこの範囲で対応可能です。例えば、実際のラインナップにはA系統(A2~A3.5)やB/C系統の代表色が含まれており、とされる標準的色調に沿っています。一方、若年者や審美要求の高いケースで明度の高いブリーチシェード等が必要な場合、リアルクラウン色見本だけでは選択肢が不足します。そのような症例では他社のシェードガイド(例:
VitaのブリーチトーンやIvoclarのChromascopなど)を併用し、近似するリアルクラウンの色に置き換えて対応する運用が求められます。とはいえ、通常の義歯症例であればリアルクラウンの6色で十分対応できるため、日常臨床での症例適応範囲は広いと言えます。
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リアルクラウン色見本は松風製人工歯専用ではありますが、一部でVita系シェード記号(A2/A3/A3.5)を採用しており、歯科業界標準の色調体系とも概ね互換性があります。例えばA系統の色はVitaシェードガイドで選択・指示可能で、残りの#55等の色も技工所は松風コードとして認識しているためです。実際、松風は2016年に旧来の「5色版リアルクラウン色見本(#52、#53等)」を販売中止とし、新たに3色(#55、#56、#58)セットに移行しました。このリニューアルに伴い、一部の古い色番はVita記号付き(#A2など)に置き換えられており、他社シェードとの対応がより明確になっています。デジタルデンチャーやシェード測定器との連携という点では、本製品はアナログ色見本のため直接のデータ連携機能はありません。しかし前述のように標準的な色体系との対応関係が把握できれば、デジタルワークフロー中でもVitaシェードを介して概ね対応可能です。総じて、リアルクラウン色見本は他社人工歯やシェードシステムとも大きな乖離がなく、臨床・技工間の連携に支障の少ない構成と言えます。
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リアルクラウン色見本の価格はで、導入のハードルが低い点も魅力です。メーカー希望価格は1組で5,000円程度とされますが、実売では1,000円前後で提供されるケースもあり、多くのクリニックで気軽に購入できます。これは構成が3色とシンプルであるためで、例えば16色セットの標準的なVitaシェードガイド(数万円程度)や、多層構造を持つ高級人工歯用の色見本と比べてもはるかに低コストです。歯科医院・技工所の双方にとって、色見本自体の更新・追加費用が抑えられることはメリットと言えるでしょう。また、松風製品の場合ディーラー経由での割引購入も可能なため、実質負担はごく小さいものです。
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シェードガイド自体の品質は、松風製の人工歯そのものを使用しているため信頼性が高いです。リアルクラウン前歯はアクリル系レジン歯ですが、曲げ強度約108MPa・ビッカース硬度約20Hvと、公表値を見る限り耐久性・硬度は一定水準にあります(※同社硬質レジン歯エンデュラ前歯143MPaに比べればやや軟質)。実際の臨床でもとして評価されており、日常使用で色見本の人工歯が欠けたり摩耗したりする心配は少ないでしょう。色調も経年的な変色に配慮して製造されており、適切な保管・清掃を行えば長期間にわたり実物に近い色を保ちます。ただしレジン材料ゆえ、金属製シェードガイド(例:
VITA Lumin
Vacuumの金属台座付きポーセレンチップ)と比べると、表面に細かな傷がつきやすいため取り扱いには注意が必要です。使用後はアルコール綿等で清拭・乾燥させ、直射日光を避けて保管することで品質を維持できます。
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専門サイトのレビューでは現在詳細閲覧ができないものの、販売サイトでの平均評価はで、概ね良好な満足度を示しています。実際に使用する歯科医師・技工士からは「必要十分な色だけ揃っていて選びやすい」「患者にも違和感なく説明できる」といった肯定的な意見が聞かれます。一方、「もう少し明るい色もあればより幅広い症例に使える」「本数が少ない分、患者に色の違いを理解させにくい場合もある」といった指摘もあるようです※。とはいえ総合的には、「国内メーカー松風の人工歯色見本」として安心感があり、国産品ゆえの色調の細やかさ・患者受けの良さに言及するユーザーも見られます。メルカリ等では中古品が安価に取引されるなど浸透率も高く、「歯科用の色調マッチングに最適」と紹介されるなど日常臨床の現場で実用的との声がうかがえます。総じて、派手な特徴はないものの堅実で使いやすい製品との評価がユーザー間で定着しています。
※ユーザー個々の感想に基づく要約。引用データの平均評価値に基づき記載。