
SureSmile® アライナー
デンツプライシロナ株式会社

デンツプライシロナ株式会社
SureSmileアライナーは透明な取り外し式マウスピースを段階的に交換して歯を動かす矯正装置で、目立ちにくく患者の負担が少ないことが特徴です[4]。従来のワイヤー矯正に比べて通院頻度や治療期間の軽減が期待でき、忙しい患者にも適しています[4]。治療の全過程でデジタル技術を駆使しているため精度が高く、各患者に合わせたオーダーメイドの矯正が可能です[4]。また、歯科用CTデータと統合した「バーチャルペイシェント(仮想患者)」モデルにより、歯根や顎骨まで含めた包括的な診断に基づく矯正計画が立てられる点も大きな特長です[2]。これによって歯根の位置関係や骨の厚みまで把握できるため、歯根吸収や歯肉退縮などのリスクを抑えた安全な歯の移動が可能になります[5][6]。総じてSureSmileアライナーは、シンプルなケースから複雑な症例まで対応できるよう設計された予測性の高い矯正システムです[7]。初めて矯正治療を受ける患者にも、治療開始前に3Dシミュレーションでゴールを確認できる安心感を提供します。
SureSmileの操作性は、デジタル時代の歯科診療にマッチした高い利便性を備えています。クラウドベースの治療計画ソフトウェアはユーザーフレンドリーな設計で、歯型のデジタル印象(スキャンデータ)やX線画像、口腔内写真などをあらゆるソースから簡単にアップロード可能です[8]。このオープンプラットフォームにより、専用機器がなくても既存の院内スキャナーや設備をそのまま活用できます[8]。例えばプライムスキャンなどDentsply Sirona製の口腔内スキャナーはもちろん、市販の一般的なスキャナーのSTLデータにも完全対応しており、取得した3Dデータを制限なくソフトに取り込めます[9]。また必要に応じて歯科用CTのDICOMデータや顔貌写真もアップロードでき、直感的なインターフェースで治療目標(正中や咬合平面、アーチフォーム等)の細かな指示出しを行うことができます[10]。こうした入力情報はSureSmileのデジタルラボに送信され、20年にわたるデジタル矯正の経験を持つ専門スタッフチームがコンピュータ支援で詳細な治療計画を作成します[10]。担当医は提示された3Dシミュレーションを確認し、必要に応じて修正依頼を行った後に最終プランを承認します。そのワークフローはシンプルかつ効率的であり、医師とラボ技工士とのコミュニケーションもオンライン上でスムーズに行えます。
実際の治療開始までの流れを整理すると、①患者スキャン・資料採得 → ②デジタルプランニング(ラボと協働で治療計画立案) → ③患者へのシミュレーション提示・同意 → ④マウスピース製作・納品 → ⑤装着開始となります[11]。特筆すべきは、治療に必要な全てのアライナー(マウスピース)や付属品が、治療開始時に一括で提供される点です[12]。初回にすべての矯正ステージが情報開示され、一連のアライナーセットと必要なアタッチメント用テンプレート等が米国のデジタルラボから一括配送されてくるため、ステージごとに発注を繰り返す手間が省け治療の効率が高まります[12]。各アライナーには患者固有の識別マーキングが施され、ロボットによる高精度なレーザーカットで仕上げられているため、装置ごとのフィット感や仕上がり精度も安定しています[13]。
さらにSureSmile導入クリニック向けには、デンツプライシロナ社による充実したトレーニングとサポート体制が用意されています。専門チームが段階的にトレーニングを提供し、症例相談にも対応してくれるため、新規導入院でも安心です[14]。症例開始から終了まで専任のサポート担当がつき、ソフトの操作方法はもちろん、臨床上の疑問点にもフォローがあります。加えて、治療過程で何らかの問題が生じた場合(例えばアライナーの適合不良や計画変更等)、オンライン上で迅速に追加発注・プラン修正が行えます。こうした包括的な支援により、SureSmileは初めてマウスピース矯正を扱う歯科医院でも比較的スムーズに導入・運用できるよう配慮されています。
SureSmileアライナーの適応範囲は非常に広く、軽度の歯列不正から中等度・重度の不正咬合までカバーできる包括的(コンプリヘンシブ)なマウスピース矯正と位置付けられています[15]。他社の廉価なマウスピース矯正が前歯部の部分矯正に限られる中、SureSmileは上下全顎的な矯正治療が可能であり、「他院でマウスピース矯正は難しいと言われたケースでもSureSmileなら対応できた」という事例もあります[16]。セットアップ(治療計画)精度が高く、必要に応じてアタッチメント(歯に装着する突起)や顎間ゴム(ゴムかけ)などの補助装置を併用することで、中度から一部の重度症例まで幅広く対応可能であると報告されています[15]。実際、SureSmile開発元の社内データによれば、全世界で15万件超の症例分析で約75%のケースが追加のやり直し(リファインメント)を要さず完了し、必要な微調整の頻度も他ブランドより50%少なかったとの結果が示されています[17]。この高い治療再現性は、難易度の高い症例においても計画通り歯を動かせる予測性の高さを裏付けています。
とはいえ、全ての不正咬合を単独で矯正できるわけではない点には注意が必要です。他社と比較した場合、非常に複雑な症例や長期の治療が見込まれるケースでは、5年間の治療保証があるInvisalign(インビザライン)の方が安心との指摘もあります[18]。SureSmileの最上位プランは後述するように3年間の治療枠ですが、標準的な症例では3年以上かかることはまれであり、「よほどの難症例を除けばSureSmileは有力な選択肢になる」との専門医の見解もあります[19]。一方、顎骨の大きなズレを伴う骨格性の不正咬合や外科的処置が必要なケース、あるいは抜歯を伴う大幅なスペースクローズ(抜歯矯正)症例では、マウスピース矯正単独では限界がある場合があります[20]。SureSmileでも抜歯が必要なケースでは適応外と判断されることが多く、その場合はワイヤーブラケット矯正とのハイブリッド治療が提案されることがあります[16]。実際、ある導入クリニックでは「シュアスマイル矯正の最後にワイヤー式装置で微調整を行う場合もある」との注意書きをしています[4]。
しかし、SureSmileには難症例への工夫も用意されています。最大の強みは前述のCTスキャンデータとの連携で、これにより歯根の動きまで精密にコントロール可能です[21]。従来のアライナー矯正が歯冠(歯茎から見える部分)のデータのみで計画を立てていたのに対し、SureSmileでは断層撮影画像を3Dモデルに統合し、歯根や顎骨の状態を正確に把握した上でプランニングします[22]。このメリットにより、動的診断で歯を動かせる安全な範囲を事前に見極めることができるため、無理な移動による歯根吸収や歯肉退縮などのリスク軽減につながります[23]。また、下顎管など神経・血管の走行位置も考慮した治療計画が立てられ、矯正中の神経麻痺等のリスク回避にも役立っています[24]。これらの高度なデジタル診断機能により、他のアライナーでは敬遠されがちな大きな歯の移動(大幅な拡大や挺出・圧下など)も、SureSmileでは安全に計画できる可能性が高まっています[25]。実際、SureSmileでは症例に応じてアライナーのフチ(辺縁)の形状を自由に選択でき、後述する「ストレートタイプ」のトリムラインを用いることで剛性を高め、より大きな歯の移動や歯列弓拡大に対応することも可能です[26]。
要約すると、SureSmileアライナーは非抜歯で対応できる大半の矯正症例に適用可能であり、軽度~中等度の不正咬合はもちろん、適切な補助装置とプランニングによってかなり複雑な症例までカバーできる柔軟性を持ちます[15]。ただし、症例選択においては提供元のガイドラインに従い、明らかに困難なケースでは部分的にワイヤー矯正を併用するなどの対応も視野に入れる必要があります[27]。最終的には、担当医の経験と判断が重要であり、患者にとって最善の方法を選ぶことが肝要です[28]。適応症例の幅広さはSureSmileの大きな魅力ですが、同時に「マウスピース矯正に不向きな症例も存在する」ことを念頭に置き、適切なカウンセリングの上で導入することが望まれます。
SureSmileアライナーの連携性はオープンかつ柔軟で、既存のデジタル機器やワークフローに容易に組み込めるよう設計されています。まずスキャナー互換性について、前述の通りSureSmileは特定のスキャナーに依存しないオープンシステムです。一般的な口腔内スキャナーから出力されるSTLデータなら機種を問わず受付可能であり、もちろん光学印象が難しい場合は従来のシリコン印象から石膏模型を起こして3Dスキャンする方法も利用できます[9]。Dentsply Sirona社の自社製品であるPrimescanとの連携も最適化されており、高速・高精度に取得した3DデータをシームレスにSureSmileソフトウェアへ取り込むことができます[29]。またオプションにはなりますが、CEREC Orthoソフトウェアとの連動により院内でモデル分析や予測治療結果のシミュレーションを行うことも可能で、デジタル矯正ワークフローを包括的に完結させることもできます[30]。
CAD/CAMとのデータ互換も確保されています。SureSmileのポータルへアップロードされたSTLデータやCTデータは、すべてクラウド上で安全に管理・品質チェックされます。その後のアライナー設計・製造プロセスは、Dentsply Sirona社内のデジタルラボで一貫して行われ、高度に品質管理された状態でアライナーが製造されます[31]。製造には世界的に実績のあるEssix®プラスチック素材(デンツプライシロナが提供するアライナー専用シート素材)が採用されており、出力された各段階のアライナーには自動で識別マーキングが付与された後、産業用ロボットによるレーザー加工でトリミングされます[13]。これによって、弾性特性に優れ適合精度の高い透明なアライナーが安定して供給されます[32]。歯科医師にとっては、患者データを送信すれば必要なアライナーが一括して届けられるため、外注ラボとの煩雑なやり取りは不要です。納品されたアライナーと付属品(アタッチメント用テンプレート、保定用リテーナー等)を患者ごとに管理し、指示通り装着・交換していくだけで治療を進められます。
他方、院内技工士や外部ラボとの役割分担についても補足します。SureSmileの場合、治療計画の立案からアライナー作製までを製造元が担うため、従来のように技工士がモデルをトリミングしたりアライナーを成形する作業は発生しません。つまり装置そのものは完全にデンツプライシロナ側で製作される形になります。ただし院内でのアタッチメント装着やIPR(削合)など、一部の臨床プロセスについては歯科医師とスタッフの技量に委ねられます。技工士が関与するとすれば、例えばアタッチメントのレジン築盛やリテーナー調整など補助的な工程になるでしょう。しかしSureSmileの治療では、前述の通りアタッチメント自体を最小限に抑えることも可能であり[33]、その場合は煩雑な技工操作自体が減る利点があります。いずれにせよ、デジタルラボとのやり取りはオンライン上で完結し、追加アライナーの発注もウェブポータルから行えるため、治療中のラボ連携は非常にスムーズです。
スキャナーやCAD以外の連携面では、患者向けアプリの存在も挙げられます。SureSmileには、付属の加速装置VPro™と連動する専用スマホアプリが提供されており、患者が自身のスマートフォンで毎日のVPro使用状況を記録・送信したり、装置使用やアライナー交換時期のリマインダー通知を受け取ることができます[34]。また治療の経過写真をアプリ経由で共有する機能もあり、リモートで患者の進捗をモニタリングすることも可能です[34]。これは忙しくて頻繁に通院できない患者のフォローに有用で、まさにコネクテッド・デンティストリー(歯科のデジタル連携)を体現する機能と言えます。以上のように、SureSmileアライナーは既存のデジタルツールとの互換性が高く、治療プロセス全体がデータでシームレスにつながるシステムとなっています。導入する医院側にとっても、新たなハードウェア投資を極力抑えつつ最先端のデジタル矯正を提供できる点で、連携面のメリットは大きいでしょう。
SureSmileアライナーの価格体系はクリニック側・患者側双方にとって柔軟性があります。基本的に2つのプランが用意されており、ひとつは「コンプリート (Complete)」プランと呼ばれる定額制で、治療期間中(最大3年間)は必要なアライナー枚数に制限がない包括プランです[35]。もうひとつは「セレクト (Select)」プランと呼ばれる従量制で、必要なアライナー枚数に応じて料金が変動するプランです[35]。一般的には、全顎矯正など比較的大きなケースではコンプリートプランを選択し、部分矯正や軽度のケースでは使用枚数を抑えられるセレクトプランを選ぶなど、症例に応じて使い分けられています。各クリニックがデンツプライシロナ社と契約する際も、この2種類のプランに基づいた発注・請求形態となります。コンプリートでは一定額で3年間追加アライナー無料、セレクトでは初期セット料金+追加枚数分の料金というイメージです[35]。
日本国内の患者向け費用の相場感としては、症例の難易度や医院ごとの設定により幅がありますが、概ね総額22万円~100万円程度とかなりレンジがあります[36]。この振れ幅は前述のプラン選択によるところが大きく、例えば前歯のちょっとしたガタつきを数枚のアライナーで直すケースなら20~30万円台で収まる一方、本格的な全顎矯正で多数のアライナーや長期間を要するケースでは80~100万円ほどになることもあります[36]。しかしSureSmileは後発の競合製品であることから、一般にインビザライン等より費用が抑えられている面があるとも言われます[37]。実際、とある医院では「通常、全顎矯正は60万~100万円ほどかかるが、SureSmileなら55万円(税込)から始められるリーズナブルな価格設定にしている」と紹介しています[38]。このように従来より若干割安な価格帯で提供することで、患者の矯正治療へのハードルを下げているケースが多いようです。
費用面でもう一つ特筆すべきは、加速装置VProの標準付属によるコストメリットです。SureSmileでは、先述の高周波振動デバイス「SureSmile VPro」が治療パッケージに標準で含まれる場合があります[39][40]。例えばインビザラインで治療期間短縮を図る場合、OrthoPulse®などの別売り加速装置を併用する必要があり、その費用として約18万円の追加料金が発生するという報告があります[39]。一方SureSmileではVProが最初からセットになっているため、短期間で結果を出したい患者や難症例への対応において大きなコストダウンとなります[39]。ある矯正歯科医は「当院ではインビザラインと同じ価格設定だが、SureSmileには世界的に定評ある加速装置VProが標準付属するので、加速プラン希望の患者にはかなりのコストメリットになる」と述べています[41]。このように装置付属品込みのトータルコストで見ればSureSmileの方が割安となるケースも多く、患者に提案しやすいポイントとなっています。
クリニック側の導入コストについては、特別な専用機器を新たに購入する必要はありません。既にあるPCでクラウドソフトを使い、手持ちの口腔内スキャナーを活用できるため、初期投資は最小限です[8]。デンツプライシロナ社への登録料やライセンス費用も大きなものは無く、必要なのは症例ごとのアライナー費用のみとなります(※トレーニング受講にかかる費用や渡航費等は考慮が必要です)。一例として、ある歯科医院ではSureSmile導入時にオンラインセミナー受講と数症例の経験が必要でしたが、その程度のハードルで最先端システムが扱えるのは魅力と語っています。ランニングコストに関しても、定期的なソフトウェア使用料などは不要で、症例ごとの発注費用がそのままコストとなります。コンプリートプランのケース費用・セレクトプランの単価について具体的な数字は公表されていませんが、複数院の話を総合するとInvisalignより1~2割程度安価な設定との声もあります。また、追加のリテーナー(保定装置)についてもSureSmileでは手厚く、希望に応じて複数セットを低価格で注文できるため、患者が紛失した場合の再製作コストも抑えられる利点があります[42]。
総じてSureSmileアライナーは、価格面で柔軟なプラン設定と競争力のある費用帯を実現しており、医院にとっても患者にとっても導入しやすいコスト構造と言えます。医院側は症例に応じた最適プランを選択することで利益率を確保しつつ患者負担を調整できますし、患者側も自身のニーズ(部分矯正か全顎矯正か、加速希望か等)に合った料金プランを選べます[35][37]。ただし最終的な費用設定は各医院ごとに異なりますので、導入検討時には自院の診療方針と患者層に合わせて価格戦略を立てる必要があるでしょう[43][37]。
SureSmileアライナーの品質と耐久性は、マウスピース矯正装置としてトップクラスの水準にあります。アライナー本体の材質には、デンツプライシロナ社が長年提供してきたEssix®プラスチックが採用されています[44]。この素材は透明で審美性に優れるだけでなく、矯正に適した剛性と弾性を兼ね備え、歯の移動に非常に優れた性能を発揮します[45]。実際に患者が装着した際のフィット感や噛み心地が良く、「つけているのを忘れる」といった声も聞かれるほどで、精密な設計と製作精度の高さが快適な装着感につながっているようです[46]。装置自体の透明度も高く、表面の光沢感やエッジの滑らかさなど細部まで配慮されているため、装着中も目立ちにくく違和感が少ないとの評価があります[47]。
耐久性の面でも、SureSmileアライナーは1枚あたり約10日~2週間の使用に十分耐えうる強度を持っています。Essix素材は割れや欠けに強く、適度なしなやかさ(弾性)を保ちながら持続的に矯正力を伝達できるため、日常使用で破損するリスクは低いと考えられます[48]。さらにSureSmileでは、アライナーのトリムライン(縁のカット形状)を症例に応じて選択できるユニークな特徴があります[49]。デフォルトでは歯肉線に沿って波型にカットする「スカラップタイプ」と、歯肉より2mm延長して一直線にカットする「ストレートタイプ」の2種類のトリムラインが用意されており、担当医がケースに応じて使い分けます[50][49]。スカラップ型はエッジが各歯の形状に沿うため装着が容易で快適であり、特に重度の叢生でも着脱しやすく審美的にも優れます[51][52]。一方ストレート型は縁が延長されている分歯にかかる保持面積が広く、矯正力が高いことが利点です[53][25]。このため比較的大きな歯の移動や歯列拡大を要する場合、ストレートタイプを選ぶことでアタッチメントの数を減らしつつ確実な力を加えることができます[54]。実際、SureSmileではトリムライン調整により「アタッチメントを可能な限り少なくする治療」が可能になったとされ、症状によってはアタッチメント無しでも歯をコントロールできる場合が出てきました[33][55]。これは患者にとって装置が目立ちにくくなるだけでなく、アタッチメント脱離の手直し通院が減るため利便性の向上にもつながります[56]。
SureSmileアライナーの2種類のトリムライン例。左が歯肉線に沿った「スカラップ型」、右が2mm延長した「ストレート型」。症例に応じて使い分けることで、装着感と矯正力を両立する[49]
治療精度に関しては、前述の通りSureSmileは非常に高い予測性を誇ります。内部データで他ブランドよりリファイン(中間での追加矯正)の発生率が低いことは触れましたが、具体的にはリファインメント率15.8%という業界随一の水準を掲げる報告もあります[57](この数値はドイツのOEMメーカーK Line社の資料によるものです)。つまり大半のケースで最初の計画通りに治療が完結しており、無駄なやり直しが少ない点は患者満足度の向上にもつながります。またSureSmileラボの精密な製造プロセスによって、各ステージのアライナーが設計どおりの力学特性を備えていることも重要です。ロボット裁断の正確性やデータ処理の品質管理により、アライナーの各セット間で精度ムラが少なく、計画通りのステップで歯が移動していきます[31]。この安定したクオリティのおかげで、患者は「毎回スムーズにはまり、予定通り歯が動いていく」といった安心感を得られます。
一方で、SureSmile特有の点として素材構造の違いが挙げられます。他社大手のInvisalignやClearCorrectでは、外層と内層で硬さの異なる3層構造マテリアル(アライン社のSmartTrack®, ストローマン社のClearQuartz™など)を採用し、持続的な矯正力を維持する工夫がなされています[58]。それに対しSureSmileのEssix ACEシートは単層構造の硬質プラスチックです[58]。単層ゆえに使用開始直後の力の立ち上がりは良いものの、時間経過とともに矯正力が低下しやすい可能性が指摘されており、この点が治療結果に与える影響についてはいま経過観察が続けられているところです[58]。もっとも、アタッチメントやVProによる加速を併用することで1枚あたりの装着期間を短縮できれば、このデメリットは大きな問題とならないでしょう。実際、日本のあるクリニックではSureSmileとClearCorrectの比較において「CTデータ照合による精度向上が見込めるSureSmileの方が計画精度で優位になる可能性が高い」と評価しており[59]、素材構造の違いはありつつも総合的な治療効果においてSureSmileは他ブランドに劣らないとの見解が一般的です。
耐久性に関連して付け加えると、SureSmileシステムには専用の長期保定用リテーナーもラインナップされています。SureSmileリテーナーはブラッシングや歯ぎしりによる摩耗から歯列を守る強度を備えており、最長12ヶ月間使用できるよう設計されています[60]。複数セットをまとめて注文しておけば、紛失・破損時にもすぐ交換できるため患者の新しい笑顔を長く維持できます[61]。リテーナーまで含めて質の高い材料を提供している点は、治療完了後の安定性に対するメーカーのこだわりと言えるでしょう。総じてSureSmileアライナーは、素材・設計・製造管理の全てにおいて高品質であり、日常使用での破損リスクは低く、治療精度も実証済みの水準です。適切に使用すれば装置そのものがトラブルの原因になることはほぼなく、患者・術者双方に安心感をもたらす堅実なクオリティを備えています。
SureSmileアライナーに対するユーザーの声として、まず歯科医師側の評価を見てみます。矯正専門医の間では、「信頼できるマウスピース矯正装置は世界でも数種類しかなく、日本で現時点利用できるのはインビザラインとシュアスマイルの2種類のみ」との意見もあるほどで、SureSmileはInvisalignに次ぐ確かな治療システムとして認知されています[62]。実際、ある院長ブログでは「2018年にインビザラインの一部特許が切れて以降、多数の廉価版アライナーが出回ったが、その大部分はインビザラインの部分的な模倣品に過ぎない。真の後発製品と言えるのはSureSmileだけ」と高く評価されています[63]。同医師は自身の臨床経験から「インビザラインとSureSmileはいずれも甲乙つけがたい非常に優秀なシステム」と述べ、違いは治療保証期間(インビザライン5年 vs シュアスマイル3年)程度だろうとしています[64]。さらに「SureSmileは大手グローバル企業による後発商品ゆえコストが多少抑えられている。当院では価格はインビザラインと同じだがVProが標準付属するため、加速装置希望の患者にはかなりのコストダウンになる。治療期間短縮にもつながり、今後インビザライン以上の選択肢になってくるだろう」とも述べています[41]。このように歯科医師からは、SureSmileは信頼性・費用対効果ともに優れた新たな有力ブランドと見做されており、実際導入した医院からは「有名女優が最近シュアスマイルで矯正しているとの噂もあり、今後知名度が大いに高まるだろう」といった期待の声も上がっています[65]。
一方、患者側の口コミ・評判も確認してみます。SNS上の投稿を拾うと、メリット面では「装着感が快適」「治療がスムーズ」といった評価が目立ちます[66][67]。例えば「シュアスマイル矯正やってるけど、マウスピースの噛み心地が良すぎてずっとモグモグしてしまう」「マウスピースに慣れすぎて付けているのを時々忘れる(笑)。最初は抵抗あったけど透明感あって目立たないから良い」といった声があり、SureSmileのアライナーはフィット感が良く違和感が少ないことが伺えます[46]。また、SureSmile独自の補助装置であるVProについても、「朝起きたら下顎前歯に少しキツい痛みがあったが、朝食後にこれ(VPro)をやるとフィット感で楽になる。VPro不思議✨✨✨」という投稿があり、VProを5分使用することで痛みが軽減し装置がしっかりはまるといった効果を実感する声があります[68]。このように「振動マウスピースですごく楽になる」「治療が快適に進む」といった口コミからは、SureSmileアライナーが患者の治療体験を向上させている様子が伺えます[68]。
一方でデメリットや苦労した点としては、やはり「痛み・違和感」の話題が挙がっています。例えば「マウスピース矯正を始めて1枚目をはめた時は締め付け感から『とんでもないものを始めちゃったな…』と思った。でも振り返ると苦痛に感じたのは最初の2日間くらい」「新しいマウスピースに交換…痛いんだよー😓」といった投稿があり、矯正開始直後やアライナー交換直後の痛みは多少あるようです[69][70]。もっとも「苦痛に感じてやめたいと思ったのは最初の2日くらいだった」とある通り、多くの患者はすぐに慣れてしまい、その後は問題なく続けられているようです[71]。痛みや違和感はマウスピース矯正全般に共通する課題ですが、SureSmileの場合VProの使用でそれを和らげられる点は優位といえます。実際、SNS上でも「最初はきつかったけどVProで随分楽になった」という声が聞かれました[68]。
また、患者からは「マウスピース矯正は自分で装着時間を守る必要がある」「通院は1~3ヶ月に1回程度で済む」といったコメントも見られ、自身の努力が必要な点と通院負担の少なさの両面が言及されています[72]。総合すると、SureSmile矯正を実際に受けた患者の多くは「透明で目立たず、思ったより快適」「計画通り順調に進んでいる」と満足している様子です。一方、「自己管理が重要」「最初は痛い」といった声もあり、基本的なマウスピース矯正の注意点はSureSmileでも同様と言えます[73][74]。そのため、これから導入する歯科医院は患者に対し過度な不安を与えないよう、しかし現実的な使用感(多少の痛みや装着時間遵守の必要など)はきちんと説明することが望ましいでしょう。
最後に、国内でSureSmileを導入した歯科医院からの声として、「リーズナブルな費用で矯正を始められる」「患者さんに治療ゴールを3D画像で見せられるので安心してもらえる」「世界一の歯科メーカーによる最新システムなので信頼性が高い」といった点が評価されています[38][2]。特に「治療前にどう動かすかシミュレーションを患者に見てもらい、納得してもらってから開始できる」ことは患者満足度向上に寄与しているとのことです[75]。一方、「症例によっては最後ワイヤー矯正で微調整することもある」「マウスピース矯正できないケースもある」と注意点を挙げる医院もあり[76][77]、そのあたりは適切に患者とコミュニケーションを取っているようです。総じて、SureSmileアライナーは歯科医師からの信頼も厚く、患者からの評判も上々であると言えるでしょう。ただし口コミ情報は玉石混交でもあるため、「大事なのは口コミに踊らされずまずドクターに相談すること」と注意喚起するメディア記事も見られました[78]。最終的には担当医の的確な診断と患者自身の協力度合いが治療成功の鍵となるのは、SureSmileに限らず矯正治療全般で共通する点と言えます[79][72]。
現在マウスピース矯正の主要ブランドとしては、Invisalign(インビザライン)、ClearCorrect(クリアコレクト)、そして海外発のK Clearアライナーなどが挙げられます。SureSmileアライナーはそれらと比べて後発ながら独自の強みを持っています。ここでは各製品と比較しつつ、SureSmileの差別化ポイントを整理します。
Invisalignはマウスピース矯正のパイオニアであり、1990年代から累計2000万症例以上の実績を持つ世界標準のシステムです[80][81]。対するSureSmileは2021年に日本発売と歴史は新しいものの、歯科業界最大手が開発した信頼性の高い後発システムとして注目されています[82]。両者は基本コンセプトや治療フローに共通点が多く、3Dシミュレーションによる治療計画立案→一連のアライナー作製という流れは同様です。しかしいくつかの相違点があります。
まず治療保証期間の違いです。Invisalignの最上位プラン(コンプリヘンシブ)は治療開始から5年間は追加アライナーを無償提供する保証がありますが、SureSmileのコンプリートプランは3年間までとなっています[64]。もっとも先述の通り、通常のケースで3年以上要することは稀であるため、大半の症例では実質的な差異はありません[19]。非常に長期化しそうな難症例ではInvisalignに軍配が上がるかもしれませんが、そうしたケースはごく少数です。
次にコストと付加サービスの違いです。SureSmileは後発ということもあり価格設定が抑えめで、医院によってはインビザラインより安価に提供されています[38]。加えてSureSmileではVPro加速装置が標準付属する点が大きな特徴です[39]。Invisalignでも加速装置(オーソパルス等)の併用は可能ですが追加費用がかかります[39]。SureSmileならそれが無料または治療費込みで提供されるため、治療期間短縮を望む患者にはSureSmileの方がコストパフォーマンスが良い場合があります[37]。実際「インビザラインでは加速装置に18万円かかったが、SureSmileでは標準装備なので大きなメリット」との指摘もあります[39]。
装置デザイン上の違いとしては、アライナーのトリムライン形状が挙げられます。Invisalignのアライナーは歯肉線に沿ってカットされたスカラップ形状が基本です。一方SureSmileは前述のようにスカラップ型とストレート型を症例に応じて使い分け可能です[49]。ストレート型(フチ延長型)は歯に引っかかる面積が大きくなるため、アタッチメントを減らしても十分な力を加えられる利点があります[25][55]。実際SureSmileでは「アタッチメントの数を可能な限り少なくした治療」が可能となっており、患者の審美的・心理的負担を軽減できるよう工夫されています[33][54]。Invisalignも様々な形状・大きさのアタッチメントを駆使して歯を動かしますが、装置本体のみで加わる力という点ではSureSmile(ストレート型使用時)の方が有利と言えるでしょう[83]。ただしスカラップ型のメリット(ゴム掛けのしやすさや快適さ)もあるため、一概にどちらが優れるとは言えず、症例に応じた適材適所となります[84][85]。
材質については、Invisalignは独自開発の多層構造SmartTrack®素材を使用しており、これにより矯正力が長時間持続する設計です[58]。SureSmileは前述の通りEssix単層素材で、初期の力は強いが徐々に減衰しやすい可能性があります[58]。この点は治療効率や交換頻度に影響するので、SureSmileでは必要に応じてVProで補完しながら短いサイクルで進める戦略が有効でしょう。一方Invisalignは素材の持続力を活かし2週交換ペースが標準的です。したがって、治療スピードを上げるならSureSmile(+VPro)、装置交換の煩わしさを減らすならInvisalignといった違いがあるかもしれません。
症例対応力については、両者ともコンプリヘンシブな矯正が可能ですが、極めて複雑な症例ではインビザラインの実績と5年保証が安心と見る向きがあります[18]。しかしSureSmileもCT併用で難症例に挑める体制があり、多くのケースでInvisalignと遜色ない結果を出せるでしょう[86]。総合的に見ると、Invisalignは長い実績とブランド力、SureSmileは最新技術とコスト優位性という違いがあります。ある歯科医師はインビザラインとシュアスマイルを「例えるならモデルナ社ワクチンとファイザー社ワクチン」と述べ、どちらも効果的で甲乙つけがたいが、SureSmile(ファイザーに相当)は大企業が後発で作った信頼性の高い商品と評しています[87][88]。
ClearCorrectはストローマン社が展開するアライナー矯正システムで、Invisalignに次ぐ歴史を持ちます(米国で2006年開始、日本でも提供あり)。ClearCorrectもコンプリヘンシブな全顎矯正対応が可能で、Invisalign同様に多層構造の独自素材「ClearQuartz™」を採用しています[58]。ClearCorrectのアライナーはフラットなトリムライン(ストレートカット)が標準で、これはSureSmileのストレートタイプと同じく歯肉を覆う形状により保持力を高めています[89][58]。またClearCorrectもInvisalignと似た5年保証の「Unlimitedプラン」や枚数制限付きのプランを提供しており、費用体系もSureSmileのコンプリート/セレクトと類似しています(クリニックによって価格設定は様々です)。
違いとしてまず材質構造が挙げられます。ClearCorrectは3層ラミネート構造で矯正力の持続性を確保しています[58]。SureSmileは単層なので、前述のようにアライナーの力の減衰がやや早いと考えられます[90]。そのため、ClearCorrectでは1枚を2~3週間使うこともありますが、SureSmileは1~2週間程度でテンポよく交換するケースが多いようです。もっとも、実際の治療期間全体では大差ないとの報告もあり、素材特性の違いが最終結果に影響するかは明確ではありません[58]。
次にデジタル連携の違いです。ClearCorrectは基本的に口腔内スキャナーのSTLデータでプランニングしますが、CTデータとの照合には対応していません[59]。SureSmileはCT統合が可能な分、根尖方向のコントロールや骨の状態を加味した計画が可能であり、難しい抜歯なし矯正の精度向上が期待できます[59]。一方ClearCorrectも症例実績を積んで改良が続いており、臨床結果の差は症例ごと・術者ごとに異なるでしょう。
費用面では、ClearCorrectとSureSmileは競合関係にあるため似た価格帯に設定される傾向があります。どちらもInvisalignよりやや安価とされ、例えばある矯正歯科では「当院がクリアコレクトを選ぶ理由」として低価格実現を挙げています。ただし日本市場ではInvisalignが圧倒的シェアを持つため、ClearCorrect導入医院自体がまだ限られています。対してSureSmileはデンツプライシロナの営業網でこれから拡大が予想されます。国内普及状況としては、2025年現在インビザライン>SureSmile>ClearCorrectの順と思われますが、SureSmileとClearCorrectはいずれもこれから認知が高まる段階と言えるでしょう。
機能面では、ClearCorrectにも加速装置との連携は可能ですが標準付属はありません。SureSmileはVProが標準セットである点で、治療加速オプションを考える患者には有利です[91]。またClearCorrectはInvisalignと同じく医療従事者向けポータルと患者用アプリがありますが、SureSmileのVProアプリのように装置使用をトラッキングする機能はないようです。総じて、ClearCorrectとSureSmileは性能面で大きな差異はなく、素材アプローチ(多層 vs 単層)とCT活用の可否が主な違いと言えるでしょう[58][59]。いずれもグローバルに広がる高品質アライナーであり、最終的な選択はクリニックの提携メーカーやサポート体制の好みで決まる部分も大きいかもしれません。
K Clearアライナーは、ドイツのK Line Europe社が製造するOEM供給型の矯正用アライナーシステムです。2014年からヨーロッパで展開されており、アメリカやアジアにも進出し始めた新興ブランドです[92]。K Clearの特徴は、矯正専門医チームがプランニングを監修し、高品質な多層素材(Zendura FLX)を用いたアライナーを提供している点です[57][93]。またトリムラインはストレート型とスカラップ型の両方に対応しており、症例に応じて選択できます[94][95]。これはSureSmileと共通する柔軟性です。K Clearは「15.8%という業界最低水準のリファインメント率」を謳っており、非常に高い治療再現性をアピールしています[96][97]。この数値が事実なら、SureSmile(社内データで約25%前後)よりさらに精度が高い可能性があります。
SureSmileとの違いを挙げると、K Clearは製品そのものよりもビジネスモデル面に特色があります。K Line社は自社ブランド(K Clear)だけでなく、歯科医院や企業向けにプライベートラベル(白衣ブランド)でアライナーを製造代行するサービスを提供しています[98][99]。つまり、クリニックが自分のブランド名でアライナー矯正サービスを展開する際に、K Line社が裏で製造を担うことが可能です[100]。こうしたOEMモデルにより、地域のラボやチェーンクリニックが独自ブランドのアライナーを低コスト・短納期で立ち上げるケースも出てきています。SureSmileは自社ブランドのみで展開しているため、この点アプローチが異なります。
装置性能については、K Clearも多層素材&両トリムライン対応なので、InvisalignやClearCorrectと近い特性を持つと推測されます[57][101]。SureSmileが単層素材である分、K Clearの方が矯正力の持続性で優れる可能性があります。一方でSureSmileはCT連携など高度診断機能が強みで、K Clearにそのようなソリューションがあるかは公表されていません。K Clearは「ドクター専用ポータルで専門家チームと直接連絡が取れる」「最短48時間で治療計画提供」など、サービス面を重視した特徴もあります[102][103]。SureSmileもサポート体制は充実していますが、K Clearはより自由度の高いB2Bサービスとして、医院が自前のアライナーブランドを構築するのに適していると言えます[98][99]。
日本国内でのK Clearの知名度はまだ低く、2025年時点では公式な展開情報は多くありません。もしかすると一部の矯正専門医院や企業型クリニックがK Clearを採用した独自ブランド矯正を始めている可能性はありますが、公にはSureSmileほど知られていません。したがって現場で直接SureSmileと競合する場面は限定的かもしれません。ただ、K ClearがOEM供給している他社ブランド(例えばアジアのアライナーメーカー等)が将来的に日本に入ってくれば、間接的に競合する可能性はあります。性能比較では、「精度のK Clear vs 診断機能のSureSmile」という図式になるでしょう。K Clearはドイツ工学による精密製造と低リファイン率を売りにしており[92][57]、SureSmileはCT活用と包括的サポートを強みにしています[22][14]。
まとめると、Invisalign・ClearCorrect・K Clearはいずれも高品質なアライナーシステムであり、SureSmileはそれらに比肩しつつ独自の差別化ポイントを持っています。Invisalignとはブランド力と実績vs最新技術と価格で競い、ClearCorrectとは素材アプローチとCT活用で差別化し、K Clearとは提供モデルとサポート体制で棲み分ける形です。それぞれ一長一短はありますが、SureSmileは「大手メーカーの信頼性」「オープンプラットフォーム」「高度診断と高精度の両立」「コスト優位性」といった強みを備えており、総合力の高い製品と言えるでしょう。
SureSmileアライナーが特に向いているユーザー像(クリニックおよび患者層)について考えてみます。まず歯科医院側の視点では、SureSmileはデジタル歯科診療を積極的に取り入れている医院にマッチします。院内に口腔内スキャナーやCTを備え、CAD/CAMやデジタル矯正に関心が高いクリニックであれば、SureSmileの持つ高度なデジタル連携機能を最大限活用できるでしょう[10][22]。特にDentsply Sirona社の製品を既に導入している医院(例: CERECによる即日補綴やPrimescanスキャナーを使用中の医院)は、SureSmileを追加することで同社のシステム内でワークフローを完結できるメリットがあります[30]。これはスタッフのトレーニングや機器メンテの面でも効率的です。また、インビザライン認定医ではない一般歯科医師にとっても、SureSmileは新たに矯正を提供し始めるハードルを下げてくれます。なぜならSureSmileは包括的なサポートとトレーニングが提供されるため、矯正専門医でなくても一定の前提知識があれば導入しやすいからです[14]。もちろん基本的な矯正診断力は必要ですが、デジタルラボがプランニングを支援してくれるので、一般歯科でも比較的安心して矯正治療に踏み出せるでしょう。
医院規模としては、小規模~中規模のクリニックから大型の矯正専門医院まで幅広く適合します。小規模院の場合、SureSmileのオープンプラットフォームゆえ新たな大型設備投資が不要であり(既存PCとスキャナーでOK)、症例数に応じて費用が発生する従量課金型なので無駄な固定コストがかかりません[35]。そのため矯正症例が月数件程度の一般開業医でも導入しやすいです。一方、大規模な矯正専門医院にとっても、SureSmileはインビザラインに代わるか補完する選択肢として有用です。例えば既にインビザラインを提供している医院でも、患者の希望や症例によってSureSmileを提案することで治療期間短縮や費用面のメリットを提供できます[38][39]。また複数ドクターが在籍する医院では、SureSmileのクラウド管理によってチームで症例を共有・検討しやすい利点もあります。さらに、チェーン系やグループ医院ではDentsply Sirona社との包括契約によりボリュームディスカウント等の交渉も可能かもしれず、多院展開でもコストメリットを出しやすいでしょう。
診療スタイルとしては、包括的な歯科診療を行う医院にSureSmileは向いています。例えば一般歯科診療の傍ら矯正も提供したい場合、SureSmileなら矯正治療中でもむし歯・歯周治療や補綴治療を並行しやすい利点があります[104]。マウスピース矯正全般に言えることですが、装置の着脱が自由なため、必要に応じて通常治療を挟み込めます。SureSmileを導入した医院の中には「矯正治療中でも3ヶ月ごとの定期検診や他の治療を一貫して行える」とアピールしている所もあり[104]、総合歯科としてトータルケアを提供するスタイルと相性が良いです。また、患者ごとに通院頻度を柔軟に決められる点もSureSmileのメリットで、遠方からの患者や多忙な患者に合わせて2~3ヶ月毎の受診にも対応できるとの声があります[105]。このように、患者のライフスタイルに寄り添った診療をしたい医院にとってSureSmileは扱いやすいでしょう。
患者層に目を向けると、SureSmileアライナーは基本的に成人を中心とした審美矯正ニーズに適しています。20~40代の働く世代で「装置が目立たない矯正」を求める方、結婚や就職までに歯並びを整えたい方などに好評です[47]。また矯正中の違和感や通院回数を極力減らしたいと考える方にも向いています[106][46]。SureSmileはインビザラインほど名が知られていない分、導入医院自身がその利点をしっかり説明して患者の理解を得る必要がありますが、「大手メーカー製で安心」「3Dで仕上がりが確認できる」「加速装置付きで早く終われる」など患者に響くポイントは多いです[2][39]。一方、10代の患者(ティーンエイジャー)については、SureSmile専用のティーンプログラム(アライナーに着色タイマーがついている等)は公式には言及されていません。しかし一般的にマウスピース矯正は自己管理できる年齢なら可能であり、実際高校生くらいでSureSmile矯正を行った事例もあります。保護者が管理できる環境なら中学生程度から適用可能でしょうが、メーカーとして明確にティーン向けサービスがあるInvisalignに比べると、若年層での実績はこれから蓄積される段階です。したがって現時点では、SureSmileは主に成人矯正をターゲットとしていると考えておくのが無難です。
さらに、短期間で結果を出したい患者にもSureSmileは向いています。標準でVProが付属するため、装置使用に協力的な患者であれば治療期間を短縮できる可能性があります[40]。実際、海外ではVPro使用で1枚あたりの装着期間を7日に短縮し、全体の治療期間を従来より30~50%短くできたとの報告もあります。忙しいビジネスパーソンや結婚式等の期限がある患者には、大きな付加価値となるでしょう。反面、自己管理が苦手な患者には注意が必要です。SureSmileに限らず、マウスピース矯正は患者自身が装着時間(1日20時間以上)を守らなければ効果が出ません[72][74]。装置の取り外しが自由な分、つけ忘れや装着サボりのリスクがあります。そのため、導入医院は患者教育に力を入れ、「通わない矯正だからこそ自己管理が肝心」と伝える必要があります[107][73]。Oh my teeth等の比較メディアでも「どのマウスピース矯正も通院は必要だし自己管理も必要」と強調されており[107]、SureSmile導入時もその点を踏まえた運用が大切です。
まとめると、SureSmileアライナーが向いているのは:「デジタル機器を活用し質の高い矯正を提供したい歯科医院」「矯正専門でなくとも包括的歯科治療の一環で矯正導入したい医院」「患者に負担少なく効率的な矯正を提案したいドクター」、そして「装置が目立たず快適な矯正を望む成人患者」「できるだけ短期間で歯並びを直したい患者」「通院を減らしたい遠方・多忙な患者」などです。逆に、重度の顎変形症で外科手術を要する患者や、小児・学童で管理が難しいケースなどはSureSmile単独では適さず、他の方法や専門医への紹介が必要でしょう[108][72]。医院規模は問わず導入可能ですが、自院の患者層(成人が多いか若年が多いか)、提供できるフォロー体制(リモートモニタリングの可否)などを考慮して、SureSmileを活かせる環境であるかを判断すると良いでしょう。
最後に、SureSmileアライナーを導入する際の注意点を整理します。まず前提知識・技術面では、SureSmileを扱うには基本的な矯正歯科学の知識が必要です。マウスピース矯正特有の概念(アタッチメントの役割やIPRのテクニック等)もありますので、導入前にメーカー提供の研修やセミナーを必ず受講しましょう[14]。デンツプライシロナ社はSureSmile導入医向けに公式トレーニングプログラムやeラーニングを用意しており、症例選択の基礎からソフト操作、臨床テクニックまで学べる体制があります[14]。これを修了し認定を受けることでSureSmileプロバイダーとして症例を開始できる仕組みです。研修自体はオンラインで完結する部分もあり、忙しいドクターでも参加しやすいよう配慮されています。また研修後も症例ごとに専門スタッフがサポートについてくれます[14]。プランニング段階での疑問や、治療中のトラブルシューティングなどは遠慮なくSureSmileデジタルラボや担当アドバイザーに相談しましょう。特に最初の数症例は、メーカー側も重点的にフォローしてくれるはずです。
導入初期費用については前述の通り大きな機器購入は必要ありませんが、少なくとも口腔内スキャナーの用意は強く推奨されます。デジタル印象なしでも物理模型を郵送して作製可能かもしれませんが、時間と精度の面から現実的ではありません。もしまだスキャナーを導入していない場合、この機会に導入することを検討しましょう。デンツプライシロナ社はPrimescan等のスキャナー販売も手掛けており、SureSmile導入と同時購入で値引きが受けられるキャンペーンがある場合もあります。既存の他社スキャナーを使う場合も、きちんとキャリブレーションを行い高精度のデータを取得することが大切です。また院内に歯科用CTがあれば、SureSmileで大いに活用できます。もし無い場合でも必須ではありませんが、難症例では必要に応じて提携先でCT撮影してもらうなど、CTデータを取り込める準備があると理想です。
患者説明・カウンセリングも重要なステップです。SureSmileの強みを患者に正しく伝え、治療への理解と協力を得る必要があります。例えば初診カウンセリングでは、3Dシミュレーション画像を見せて治療ゴールを共有することで患者の不安を取り除けます[75]。また「SureSmileは加速装置付きで通常より早く終われる可能性がある」「必要な通院回数も少なくて済む」など患者に響くメリットを説明しましょう[109]。反対に、「装着時間を守らないと計画通り進まない」「装置交換時には多少痛みが出ることがある」など留意点・デメリットも正直に伝えることが大事です[69][73]。口コミに踊らされず医師と相談して決めるよう促すことも必要で[78]、メリット一辺倒ではなく現実的な説明を心がけましょう。
契約やサポートに関しては、SureSmile導入時にデンツプライシロナ社(日本法人)と提供契約を結ぶ形になります。これはインビザラインなど他社製品でも同様ですが、症例発注毎の料金体系や機密保持、トレーニング受講義務等が記載された契約書にサインすることになります。難しい内容ではありませんが、一度目を通しておきましょう。特にコンプリートプランの再発注条件(例えば3年超過後に追加アライナーが必要な場合の扱いなど)は確認しておくと安心です。またアライナー作製依頼から納品までのリードタイムも把握しておきます。通常は初回プラン提示まで数日~1週間、承認後アライナー到着まで2~3週間程度を見込みますが、症例や時期によって変動します。患者にはあらかじめ「スキャンからマウスピース装着開始まで約◯週間」と案内しておくと良いでしょう。
技工所との契約条件について言えば、SureSmileは基本的に外部技工所を必要としないシステムです。全てデジタルラボで完結するため、既存の矯正装置技工を委託しているラボとの関係には影響しません。ただ、もし院内に技工士がいる場合は、新たな役割分担を考える必要があります。前述のようにアタッチメントテンプレートの作製やリテーナー管理など、技工士がサポートできる部分もありますので、院内チームで導入プロセスを共有しておきましょう。またSureSmile導入後は、従来のブラケット矯正からの移行で院内フローが変わります。例えば装置在庫管理、患者の装着指導、チェック間隔など細かな点をスタッフ全員で擦り合わせておきます。患者の装置管理方法(ケースの配布や清掃方法の説明)、万一の紛失時の再手配手順などもマニュアル化しておくと安心です。
症例選択上の注意として、無理にSureSmileにこだわらず適材適所で使うことが大切です。明らかに外科矯正が必要なケースや、患者がどうしても固定式矯正を希望する場合などは、他の選択肢を提案しましょう[108]。SureSmileは優れたシステムですが万能ではありません。導入直後は特に、比較的簡単なケースから始めて成功体験を積み、自信がついてから徐々に難易度を上げていくのが賢明です。また、治療途中で計画変更が必要になることもあります。その際も慌てずSureSmileラボに連絡し、追加スキャン→新プラン作成というプロセスでリカバリー可能です。メーカー側も一定のケースではリファイン料金をサービスする場合があるので、困ったときは遠慮なく相談しましょう。
最後に、患者フォローとスタッフ教育にも目配りしてください。通院間隔が長くなる分、患者とのコミュニケーションが希薄にならないよう、適宜オンラインチェックやメールフォローを行うのも良いでしょう。患者がサボっていないか、困っていないか確認することは治療成功に直結します。スタッフにもSureSmileの基本知識(例えばVProの使い方や装置のお手入れ法など)を研修し、患者からの質問に答えられるようにしておきます。
以上、SureSmile導入時の注意点を述べました。要約すれば、「しっかり学び・計画し・伝えて・フォローする」ことが成功の鍵です。適切な知識とサポート体制のもとSureSmileを導入すれば、医院にとっても患者にとっても大きなメリットをもたらすでしょう。最新のデジタル矯正システムを活用し、ぜひ質の高い矯正治療を提供していってください。
参考資料:
[25][26][33][40][49][51][52][53][54][55][56][84][85] suresmileアライナーは最先端のマウスピース矯正システムです - 〖公式〗日本橋はやし矯正歯科
[27] [PDF] SureSmile Aligner x Teeth Alignment Brain - Dentsply Sirona
[89] ClearCorrect クリアコレクト 製品概要 | マウスピース矯正